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2021.12.01

2021年の12月娘のテーマは《待ち合わせ》。 

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「あ♪エエとこに来てくれたわ〜〜♬」
 
男性諸君、大切な人のため口座の残金は確認しておき給え。
   ───てことで、今月も制作プロセスでお茶を濁します。   

 

 ぶっちゃけコロナ禍になってからまるまる二年、ネットか文字列のみのコンタクトで、友人にも知人にも逢わない、電話の声も聴かないパーフェクト引き篭もりでしたが、ハロウィンの日にやっと直接、友達に逢うことができました。
 いいもんですねえ、生で気の合う人と対面で話をするのは。ましてチャーミングな異性ならこれほど華のある《待ち合わせ》はありません。(相手が私をどう思っていようとも;)

 

 ───まあリアル話はともかく、私と▲この12月娘との出逢いは、《華やかなショウウインドウを覗き込んでワクワクしてる》という絵としては漠然とした、でも確たるテーマが降りてきてくれました。

 これね▼、2007年の神戸のクリスマス風景です。たった14年前の事なのに、コロナ禍とは関係なく今のクリスマスは妙に寂しい。

2007
 この頃までは神戸や京都など観光都市の商店街では趣向を凝らした飾り付けで魅了してくれたものですが、コロナ禍になる前からここ10年くらい、年々クリスマスのための大がかりなディスプレイや豪華な飾り付けがすっかりナリを潜めているのです。
 せっかくLED全盛になって省電力化もたやすくなったのに、実に淋しい限りです。
 そういう気持ちも込めて、ここ毎年の12月看板娘くらいはイルミネーションきんきらきんのゴージャス感で満たしたくてたまらんのです。

 それも踏まえてのイメージづくりから始めます。
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 デッサン用の素体フィギュアと鏡を使って、ショウウインドウへの映り込みをシミュレーションする所からスタート。やはり、実際に鏡を置いてみると、脳内で考えるのとは全然異なります。
 それを元に、いつものように青芯シャーペンで下描きへ。その際、モデル写真に一緒に撮し込んだ方眼入りのカッティングマットがめっちゃ役に立ってくれました。誰もが難儀する、しかもミラーリングで錯覚を起こしやすい背景のパースペクティブの確認です。

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 左の線画状態がまさにそれ。背景のパース用方眼も同時に描いています。これに合わせて、背景の参考元になる実写画像をPhotoshopで変形して馴染ませ、女の子の立ち姿と整合性を取っていきながら、背景となるショウウインドウの完成形も想像・計算しつつ、人物画を仕上げていきます。

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 脳内イメージに近いショウウインドウもいっぱい探しましたが、意外にないもんなんですねえ。いつも日本語と英語(特に英語で探すと思いもしないナイスな画像がヒットするのです♪)で意地になってググリまくるのですが、見つからない。
 ちうか、実際にはナンボでもあったんでしょうけどわざわざ撮影してネットに上げてるかどうか、という可能性も含めてナンカチガウ感の方が多くて。でもあまりそういうイメージ探しに没頭してると、肝心の、そして折角の脳内イメージの方が雲散霧消してしまうので、もぉテキトーな所で切り上げ、むしろ集めた画像はあくまでパーツ参考品と割り切って《描いた方が早い》と思い直すのが毎回で。

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 さて、ひとことでいえば背景が描き上がりました。要素としては額縁、ツリーに模したプレゼントBOXの重ね、ショウウインドウに貼ってある雪の結晶のステッカーそして『Vary Merry Christmas with My Love』の飾り文字などなど…あ、そうでした、彼女が覗き込んでいるアクセサリーショップのミニブースの中の宝飾類で、足かけ二日半の作業量が加わりました。
 一応これで画面内全ての部品が揃ったのですが───ここからが本番、《演出》です。
 とはいえ、ぶっちゃけこの記事をご覧になってる酔狂な貴方には、ここからが私の自己満足を追っかけた、いわば《間違い探し》段階です。
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 ひとつ前と▲の違いがお分かりでしょうか?まず、『ガラスに映り込む娘の背後にあるイルミネーションの反射』が加わりました。
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 そしてウインドーに映り込んでた娘がPhotoshop用語で言えば『透過50%』から『スクリーン50%』に変わりました。▲これによって宝飾ブース内の光源と、ウインドウ全般の赤色反射を帯びた部分との映り込み具合の異なりが表現できました。
 同時に、この絵の物語でのメイン表現であるミニブース内が暗く感じるので明度や彩度を調整。このへんはもう多層レイヤーのデジタル絵ならではの利点です。(狡いといわれようとも♪)そして実は映り込んでる娘の透過率も、ミニブース内とそれ以外をマスキングして変えました。
 始めの方の画像をご覧戴いたように映り込んだ像もちゃんと描き込んではいますが、この絵ではそこが見せたいポイントではないからです。そして、この段階で三日ほど絵を観ないようにして放置しています。

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 三日ほど経ちました。▲すると、勢いで描いてきた絵のアラが見えてきます。あえて『赤色の中の赤』で描いては来ましたが、やはり主役は娘です。でも離れて観ると、彼女がイマイチ浮き上がってきません。それに最初に思い描いた『ショウウインドウの華やかさ』が足りない気がしてきました。
 てことで、ショウウインドウと、その明るさ・赤さを浴びている彼女のコートの受光部分の彩度・明度を一気に上げ、ミニブースの光を直に受けている前髪の金髪度を上げました(右)。
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 さらに細かな部分の明度・彩度を再検討・再調整して、今の私のベストフィニッシュとしました。実は寒さを強調するのに、白い吐息も描き加えてみましたが、説明されないと判らないような効果やったのでやめました。

 もしご意見・ご感想がございましたらTwitterの方へおねがいします。
 (*´▽`)v☆・゜:*☆Merry Christmas☆・゜:*☆v(´▽`=) 

 ヽ(´∀`*)ノ ほな、また。


 

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