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2020.07.01

涼しげな水ネタを絵にしたくなる季節。しかし…!

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 昔から、水と炎はもっとも絵にするのが難しい、と言われますわね。実際、実写画像を加工して絵に取り込んでも思うようにならない。イジればイジるほど変になって、自分が理想とするイメージからどんどん遠のいていくオトロシイ元素でありますが、挑まずには居られないモチーフでもあります。
 てことで6月の「雨」に続いて7月の看板娘も《水ネタ》に挑戦しました。

 頭に浮かんだ構図は最終状態の絵に近いものですが、風景を“らしく”描くにはやはりお手本が必要です。手前まで水面が来ていて、遠くには森なのか林なのか、夏色の青々とした樹々が連なる。ほとりには大きな石組みがあって、腰掛けた娘が水面で足を浸けてチャプチャプやってる、てのが浮かんだコンセプトでしたが───

 まず背景の元となる風景写真を延々と探しましたけど、毎度の事ながら、脳内に描いた理想の風景ってのはホンマ、ありそうでないもんですねえ。もちろん自分で撮れと言われてもそんな場所にも行けんし撮れんのですが。

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 こんな調子の画像ばっかりが次から次へ出て来るばかり。▲一体、私の脳裏に浮かんだ風景はどっから湧いてきたんや?と思いつつ、もうこうなったらしゃあない、とあり合わせの画像をコラージュしてお手本画像をでっちあげるという、いつもの方法になってしまうのでした。
 まずは脳内のイメージを現実に固定化するため、でっちあげ背景画像に似たようなポーズをした過去絵の娘をあてはめてみる。まあ、こんなもんか、と。

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 岩の質感や遠景の樹々は加工して流用はできそう…となると、次は娘。ざっくりと勢いで描いてみたのが▼これ。

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 まあ、全体の雰囲気はこんな感じやったんですが、何か気にくわない。“何か”がなんなのか分からず一日熟成した結果、風が吹いてる以外はお話も何も感じられんので表情がフツーというか“な〜んも考えてない”顔になってしまってる事に気づきました。
 そもそも、彼女はなんで湖のほとりの岩に腰掛けてこんな遊びをやってるのか?───こうなるとお話作りというより、一種のプロファイリングになってきますな。

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 とりあえず試作娘のまんまで全体の雰囲気を把握すべく、コラージュ背景にはめ込んでみる。まあ、こういう印象…あ。思い出しました。似たシチュエーションの絵を。

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 どうやら、これが脳内でヒントになってたのかしら。ええい、もっと足元がアップにならんのか!今回の重要ポイントやのに、《足先で水をチャプチャプ》て資料写真も見つからん。
 
 ───などと、まずは背景を塗り込もうと決めました。背景は背景で四苦八苦しながらコテコテと描いてるうちに、思惑通り妄想がふくらんで娘のコンセプトもできあがってきましたんで、表情やらディテールを修正。
 娘の塗り込みの話はすっ飛ばしましてイキナリ完成形です。
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 デレてます。何があったんでしょう。(……あいつったら……)みたいなモノローグを当て嵌めてみると、前後のお話が何か見えてくるでしょうか♪

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 実は彼女のワンピースの色もさんざん迷ってまして。こういう所がデジタル絵最大のメリット。もちろんこうした“潰し”が効くようなデータの構築をしとかんと無理ですけど。同時に背景の森、湖の色合い、コントラスト、岩のトーンなどなど、何度も何度もいじくりまくりました。
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 そしてキモとなる《足チャプチャプ》のシズル感…出せてますでしょうか。
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 かくして、こういうカタチで完成、とあいなりました。ほんの2年ほど前までは、絵から脱稿する際は「これでええかな♪」やったのが、今は「これでエエのか?ほんまにこれでエエのか?」を繰り返すようになりました。それで上達できているかどうかはともかく、絵に対する姿勢や描く時の意識は全然変わってきたと感じます。

 そして、楽しい♪すごく楽しい♪

 ヽ(´∀`*)ノ ほな、また。


 

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