11月。木枯らしが吹く前、人待ちなど。
このごろ、背景付きの絵は背景から描くようになりました。だから今回のも文字通りの背景と椅子から描き始めました。
次が、紅葉した桜の葉。今回の絵は女の子がメインではなく、桜の葉。ずっと以前から一枚で多様な染まり方をする桜の葉が描きたかったのです。
かさかさ、かさかさ。秋の爽やかな風に揺られてこすれあう葉が立てる音。地面に落ちた葉は同じ風で生き物のように移動する。
そんな葉っぱは一枚いちまいが異なる個性を持っているのに、地面につもったそれは別のひとつの絵になる。秋は情報量が多すぎるんでしょうね。私は省略がへたくそなのです。
油絵は描いたことも教わったこともないんですが、あれこそは省略技法の最たるものなんでしょうね。特にモネの描き方。近くば寄って目にも観…ると、なにがなんだか分からないのに、離れて観ると説得力と主張のある絵になる不思議。
女の子に色を挿す。主役が桜の紅葉だということもあって、いかにも地味な服の色です。やっと全体の雰囲気が見えてきました。ここまででチマチマ描きながら5日程かかってるので頭を冷やしながら作業を進めてましたが、こっからが迷い始めでもありました。
あまりにも細かな部分へのこだわりと修正なので見比べても判らない程なのですが、もう葉っぱの塗り方や色の具合、女の子の視線や無表情なようで“思わせぶり”な含みのある表情をどうすれば描けるのか…などなど、間に時間を置いては手を入れてみました。
そして描き上がったのがこれ。
どこがどう良くなったの?と言う程の変化はないのですが、細かなコダワリの積み重ねでの試行錯誤は今後役に立つ筈だと信じて、葉っぱも背景も何もかも全て手描きで描き上げました。
いまは絵を描くことが楽しい。絵を描くようになったのは二十歳の頃、漫画家になりたくて描き始め、その夢は潰えて広告デザインで36年間もメシを食ってたのに、絵を描くのはいつもめんどくさかった。楽しいと思った事はあまりなかったのに、去年の二月頃から毎日ムリヤリでも描くようにしてみて一年経った頃、描くのがすごく楽しくなりだした…いまや、描かないと寂しい。描いてないと物足りない。
なんなんでしょうねえ。38年も経って、やっと面白くなるなんて。
でも、遅すぎたわけではない。間に合った。まだたぶん、もうちょっと生きてるから。
ヽ(´∀`*)ノ ほな、また。
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