五月、新緑、令和元年…瑞々しく。
アマノジャクな私は「流行っている」と言われるとなんかそれを意識してるように思われるのが嫌に感じるんですが、ぶっちゃけ私は昔から新緑の芽出しモミジのスキマからあふれる木漏れ日の風情が大好きで。
もっとも、新緑はモミジに限らない。
「───お。ほら、こんなところにも、《美》が。」
谷啓さんの頃の『美の壺』が大好きやったなあ。特にその、眼と心を開いてさえいれば、この世にはどこにでも《美》を見つけることができるのよ…というコンセプトが。
草刈正雄さんは役者としてファンやけど、あの番組自体はもう単なる『モノマガジン』になってしまってるので、初期の頃の本当の意味での《美を見つけ、愛でる》という稀有な精神は失せてしまいましたわな。その気持ちの持ち方、持って行き方こそがいわば利休さんの茶道にも通じる《教え》をテレビでやってくれる素晴らしさに心酔していた私はすごく残念至極。
コケもいっときブームになってたけど、あれは盆栽的というかミクロ的な愛で方なので少し楽しみ方の意味合いが違うかしら。
こうした生え方をしてる自然な苔の場合はマクロ的で、いわば“面のうねり”を愉しむ面白さもある。
───閑話休題。
今月の看板娘は三度描き直しました。ちうかね、モチーフはすぐに思いついたのに、脳内にあるイメージがこの形になるまで思うようにならなくてのたうちまわったのです。それが二度。
三度目は塗り。一旦は完成したんですが全然新緑の下のあの爽快感が出せなくて。
部分的に何度も何度も試行錯誤を繰り返し、実際の木漏れ日が写った写真と見比べては塗り直し…そういう真似が出来るのもデジタル塗りならではではあるんですがね。
でも結局は道具より《眼》というか観察眼ありきですわね。
▲こちらは12年前、2007年5月の看板娘。がんばった。がんばったけどがんばりと成果は別ですわね。同じモチーフでもっぺん描いてみようかしら、と今思いました。
で、背景に実写を元に、加工や加筆やらを繰り返してこしらえた風景の中へ娘を入り込ませました。
2010年に私が実際に行って撮った写真が元なんですが、「あら。こんな写真撮ってたの」て感覚なのでこの場所自体の記憶は怪しいため、結局はお寺の山門の空気感、足に伝わる石段の感触、光のまばゆさ、樹々を揺らして通る風の匂い、チンダル現象で見える光の流れ…を脳内シミュレーションで組み立てた結果がコレです。▼
ヽ(´∀`*)ノ ほな、また。令和の御代もよろしうに。
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