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2015.06.14

(;◎∀◎;)肉筆浮世絵、観てきた。モノゴッツイ、これに尽きる

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 6月21日まで大阪市立美術館で開催中の『肉筆浮世絵〜美の共艶〜』に行ってきました。
 (*´△`*)もう、満腹。ものごっつい刺激になりました。何がモノゴッツイって───
 

 『百聞は一見にしかず』…( ̄∀ ̄;)…と言うてしまえば実もフタもありませんが、今回ほどそれを実感したことはありません。
 ちうても、歴史的に著名な画家の油絵でも、それほど「実物は違うなあ!」とまでは思わんかったんですよ。まあ今回のように60cm程度にまで接近戦が挑めたわけでないので、乱視近視に老眼まで加わった今の私の視力では筆致がさほど判別できなかった…という事もありますが。

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 大阪に生まれて54年なんですが、ここ大阪市立美術館は初めて。
 それはともかく、今回の展示物はすべて従来のハロゲンランプではなく、自然光に近い色温度のLEDによる照明になってたとの事と、私もメガネに工夫をしたので、若かった昔のように細部までシッカリ観られたのが今回の感動の元になってるのは確かです。

 実を言えば、浮世絵自体には興味無かったんですよね。印刷物やTVで観る限りは、“美女”と言われててもべつだん好みのルックスとは程遠いし、“大昔の古ぼけた絵”という認識しかなかった。
 ただ、版画としての超絶技巧───木版の超多色刷りであることだけでも驚異なのに、加えてまるでエッチングのような細密な線表現───に関してはものごっつ興味はあったんです。…といいつつも、先の理由からわざわざそれを確認して行く程のテコにはならず。

 いくら日本よりも世界に知られた浮世絵が銅版画のような超絶技巧でも、信じられない複雑さの多色刷りでも、しょせんそれは現代のように写真製版ではない、つまり極端に言えば『絵師が描いた原画を、別人が異なる手法で忠実に模写した』ものです。

 ただし今回は【肉筆】。つまり“あの”葛飾北斎や、喜多川歌麿がその手で描いた“正真正銘”本物の絵。
 化け物みたいな技術を持つ版木職人たちの超絶技巧ですら叶わない、絵師の本能が求めるままの筆致で思いっきり描いた《オリジナル》が観られるのです。さすがにこの企画には思いっきり惹かれました。

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 ( ̄д ̄;)もうね、髪の生え際の線などは0.1mmあるかないか、それが一本として隣と重なることもなく、さりとて不自然でない平行線状態で一本一本ていねいに、しかもびっしりと描き込まれてるのにはため息が出ます。
 そして時に同じかそれ以下の細さで、スイっとためらいもなく惹かれた鼻梁の線。
 この一本のわずかなズレ、ブレだけで能面の如く表情がガラリと変わることは今も昔も変わらないのが浮世絵から今のマンガ式・アニメ式の描画法の最大の特徴だけに、そうした描き方の人物の絵を描いた者には、この一本の線に込められた自信と確信がもたらす凄味がビリビリと伝わってきます。

 同時に、桃山風の着物の長い長いラインは途中で継ぎ足しも重ね描きもなく、一気呵成に流れるような筆致で描かれている。
 しかもその線は薄墨なので、誤魔化しようもない。これが身長30cmクラスの絵でも、1mクラスの大型の絵でも同様なのがまた驚きで。

 (;`д´;)なんでこんなに見事に描けるんやろう。鉛筆などない時代に、下絵とかあるんやろか。
 あったとしても皆目見えなかった。

 描線もビックリなんですが、描線に囲まれた部分のベタ塗りがまたビビります。
 描線に乗ってないんです。( ̄д ̄;)ぴったり、見事なまでにベタが描線の境界線で止まってる。
 ベタのアシスタントが居たとしたら、その人も化け物です。

 逆に巻物などで配置された2cm程度の人物が腰に差している刀のサヤにもしっかりと柄が描いてあるのには、スケールモデラーが挑むミクロの手腕を思わせる微細さ。
 それも目の前にあると言ってもガラスケースの中には変わりないので、距離としては最低でも40センチ向こう。今回のメガネを用いてなかったら絶対に見えなかった超微細なディテール。

 そしてね、当たり前なんですが、原画はどれもおそろしく美しいのです。もっとも古いものは300年近く前なのですが、状態が良く、絵の具の剥落や色褪せもほとんど感じられない。
 例の別料金払ってヘッドホンで聴ける解説によると、こうした肉筆浮世絵は裕福な商人などからのオーダーメードである事が多く、庶民相手に大量に売りさばくために版画となって印刷された浮世絵とは、使われる絵の具、墨の質は比べるべくも無く、それゆえの高い耐久耐退色性を誇るのだとか。

 版画版浮世絵の印刷や、ハイビジョン以前のTVで見てた時は、不気味とすら思えた浮世絵の印象とはあまりにも異なる、華やかで大胆な構図で、同時に執念を感じるほどの描き込みのありえない緻密さと正確さ。朝9時30分の開館と同時入館なのでまだ観客もまばらなお蔭でもう、一枚一枚、なめるように見て行きました。

 (*´Д`*)しかしそれでも、二時間もあればゆっくり観られるやろと思たのは甘かった…

 一枚におおむね3〜5分くらい食らいついてたでしょうか。展示は章に分かれてたんですが、これが観ても見てもまだある。まだまだ出てくる。最終的には全部で7章!よぉこんだけ一堂に会したなと思う膨大な量。

 とにかく緻密な上に、群衆が描かれた巻物での着物のなんとバラエティに富んでいることか。
 あたりまえかもしれませんが、一人として同じ柄がない。それも実際の和服と同じで、花鳥風月森羅万象に幾何学模様、それらが例えオトナの指程度の大きさの人物でも、一切の手抜きをすることなく、あるいは一体一体の衣装デザインを楽しんで描いているとしか考えられない、執念にも似た描き込みのものすごさ、緻密さは余程のプリンターでも再現は不可能。

 感心・感動と同時に思たのは

 ヾ(≧▽≦)ノ 和服柄の最高の資料や〜♪っちう事。

 (;´∀`;)もちろん見事なばかりの柄や色の組合せなど、どんだけ欲張ってもまったく憶えることすらできず。もぉ図録を買うしかないと思いましたね。

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 (。-`ω´-) しかし予想通り、普通の印刷なのでこれまで私が全く興味を持てなかった頃のまんまの、フツーの浮世絵にしか見えない。まあしゃあないでしょう、アレをリアルに再現するには恐ろしいほどのおカネがかかる。
 まだ、これを紹介してた美術系番組『美の巨人たち』の4kハイビジョンの方がよほどマシ。

 もうひとつ予想通りで残念なのが、表装はまったく無視されて、絵しか掲載されてないこと。
 あの細密な絵をさらに引き立て、彩っているのは他ならぬそれに負けない緻密な和刺繍をほどこされた表装にあるのです。それがこの図録では皆無。
 この図録を編集した人は図版を載せる際にトリミングしてしまう残念さが気にならなかったはずはないと思うんですが…。

 結局、9時30分の開館から、観終えた時は12時を廻ってました。( ̄д ̄;)脚もチョットガクついて。

 もう会期終了まで時間ありませんが、朝イチで行けばゆっくりまったり見られます。
 いやあ…ほんっっっっっまに、エエモンを見ました。眼福、満腹。

 大阪市立美術館公式サイト▼
『日本初公開!シカゴ ウェストンコレクション肉筆浮世絵-美の競艶 ~浮世絵師が描いた江戸美人100選~』http://www.osaka-art-museum.jp/sp_evt/ukiyoe/

 ヽ(´∀`*)ノ ほな、また。

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コメント

お久しぶりです。
関西に住んでいなくて良かった、そんなイベントがあったらまた金がぶっ飛んでいくー、浮世絵はきらいじゃないka-zuです。
マンガ好きをこじらせて、絵やら美術やらと名のつく物が好きなもんで、浮世絵にも興味を持っております。
浮世絵でも下絵は、入念な修正を繰り返した後が見られるそうです切り張り、胡粉で上塗り気に入るまで何度でも。

ネタ元>埼玉県 蕨市 河鍋暁斎記念美術館 ご家族で運営している美術館で、家に残されたおじいちゃんの下絵や練習帖と、買い戻した作品を展示しているそうです

投稿: ka-zu | 2015.06.18 19:16

ka-zuさん、ご無沙汰しております。
いまどちらにお住まいか存じませんが、東京圏ならやばいと思いますよ。最近、浮世絵がひそかにブームになってますから。
ちなみに今回の肉筆はそうした修正は見受けられませんでした。そういうとこばかり必死に見てましたので、たぶん誤魔化されてはいないと思うんですが。

投稿: よろづ屋TOM | 2015.06.29 00:51

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