え。えらいこっちゃ『ノッテオリテ』が今号で休刊てか!?( ̄ロ ̄lll)
“ました”というのも、3月25日に発行されたこの『ノッテオリテ』24号。
いつものようにハイセンス、ハイブロウでしかも小粋な浪花のテイストをしっかり残した、味わい深い内容で綴られていて、ああ、今号もええかんじやわ───
巻末の方にズラッと並んだ、創刊準備号からの歴代ノッテオリテ表紙の数々…そしてその上に記された一行のショッキングな言葉!
いわく。
平成21年3月25日のプレ創刊号より、みなさまにご愛顧いただいておりました「ノッテオリテ」ですが、誠に勝手ながら、平成25年3月25日発行のvol.24をもちまして休刊することとなりました。
うそ〜〜〜〜!Σ(@ロ@lll)
先に書いた言葉はべんちゃら(お世辞)でもヨイショでもなんでもない、ほんまの私のココロの声です。こんな内容でのフリーペーパー、大阪には他にない。
京都には無料有料まぜてこの手のカッコエエ文化誌は結構あるんですよ、なんせ文化なしでは語れんし、文化が終わったら終わる街ですからね。
ただ、大阪文化てなんやねん?と訊かれても、ひとことで答えるにはなかなか難しい。
笑いの文化とか形式上答える人もいてはりますが、その『笑い』自体、私に言わせれば今はもう滅亡してると思てます。
時代と共に変化していくのが文化ではありますが、こと大阪の笑いは40年ほど前にガラリと変わったと言えます。ちょうど、縄文から弥生になったような感じで入れ替わったというか。
そのきっかけはやはりテレビ放送の存在でしょうね。
テレビ第2世代の私が言うのもなんですけどね。大阪の匂いとか、大阪ならではの文化が変なカタチ…ちうか、間違うた解釈と歪んだカタチで全国に蔓延してしもた。
しかも反対に、間違うた解釈のままでテレビ標準化された『けったいな大阪』がテレビを通じて私より下の世代を中心にして逆流してきたんですな。
テレビが普及した時にオトナっちうか、すでに大阪人のアイデンティティが染み込んだ人は何の影響も受けません。でも子供は当然ながら毎日、家族の大阪弁とテレビのニュースで標準語、ドラマなどで東京弁を耳にして育ちます。
そうしてまぜこぜになった世代が親になって、その次の世代はさらに関東系方言混じりのヘンな標準語にさらされて育つ。そうこうするうちにネイティブは老齢化し、やがて落語など特殊な職業の人を除いて、本来の大阪弁はどんどん消えていったのです。
もちろんそれは江戸弁も含めて、他の方言も同じ筈。
てなわけで、言葉以外で言うならやはり生活感でしょうか。その街ならではの風習や食生活、人々の気質による反応の違いなどの日々の繰り返し、積み重ねによって、逆光の中に浮かび上がる輪郭のようにひとつのカタチを取ったもの…それが文化だとしたら、この『ノッテオリテ』というフリーペーパーは、その輪郭をすこしづつ、でもそろーっと上手になぞりながらチラチラと見せるのが実に上手い編集でした。
なにが嬉しいと言って、その切り口。
たいていの場合、大阪イコール食、みたいな発想なので他の有名なフリーペーパーはほとんどが毎号、食べ物情報。あとは名所旧跡の紹介と季節イベントで終始します。
他誌との差別化はその情報量とか内容とか、せいぜい他誌にない情報を必死に探すかしかないわけですが、いずれも薄いのです。内容が。
おそらくライターさんが当たってる取材先の人もそれほど大阪文化に詳しくないのでしょう。
私はNHK BSの『世界ふれあい街歩き』という番組の大ファンなんですが、アポだのやらせだのほとんどナシでやってるのがウソみたいに、出逢う人がジモティだった場合にその街の歴史や文化に実に詳しい事に驚きます。
ていうのは、日本だとジモティである場合はもちろん、そこそこの年寄りでもそういった事にはほんまに無頓着だからです。
これ、勿体ないですわね。近畿の場合でいえば「あの神社はなぜそう呼ばれるのか」と訊ねて、ああ、それはね…と答えられる人が普通に出てくるのは京都や奈良くらいのもの。
それは日本の歴史教育がなんちゃらかんちゃら!って怒り出す人もいてはるでしょうが、そういう人に限って自分が住んでるところの所以由来を尋ねてもたぶん、答えられんでしょうな。
(だって日本の“歴史教育”って人物名と年号と事象の項目暗記だけですからね…データだけで中味がない。まして地方の昔話なんか試験に出ないから“歴史”にならないというカテゴライズ。)
『ノッテオリテ』はそうした『文科省オススメの試験には一切出ないけどジモティとして知っておかないと恥』な知識やお話がいっぱい載ってました。
───以前は、隔月刊で、しかも大阪市交通局…すなわち地下鉄の駅に行かないと手に入らなかったので、そのヘンに行かない、行けない人は手に入らなかったんですが、半年前くらいからでしたか、大阪市交通局の公式サイトに電子書籍としてフリーで読めるようにしてくださいました。
まさに『道頓堀のネオン』『たこ焼、お好み焼』『吉本新喜劇』なんて、フジヤマテンプラハラキリゲイシャ的な観光地の捉え方でなく、ほんまの大阪に興味がある人にはうってつけのガイド本だと言えます。
しかも (*´▽`)< タダや。タダでっせぇ!読まな損やでぇ!
…おもわず大阪的なノリで宣伝したくなる『ノッテオリテ』ですが、マジで近い将来、復刊して欲しいと思います。
そうか、その発行元である大阪市交通局も参加してる、共通プリペイドカードシステム『スルッとKANSAI』があとを引き継いで、同サービスが毎月出してる『スルッとKANSAI遊びマップ』と並行または包括して、正統派の文化啓蒙雑誌としてもっともっと続けてもらいたいと切望する次第。
そうせんと、ほんまに大阪の子らが大阪の事をなんも知らんアホたんばっかりになりまっせ。
いやほんま。
ヽ(´∀`*)ノ ほな、また。
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