春の味覚つれづれ〜その2〜のれそれ、ってご存じ?
ダジャレの好きな店主なのか、『のれそれ?なにそれ?』なんてPOPが添えられて売ってたりするコレ。
まるでガラス細工かと思えるほどに透明で、キレイなキレイな、いかにも涼しげな春の珍味。
───正体は、穴子の稚魚です。そう、あの甘辛いタレが塗られて、ふっくらと香ばしい身を提供してくれる穴子のチビさんがこれ。
ウナギの稚魚が白魚(しらうお…シロウオとは別物)なわけですが、あっちは円筒状の身体であるのに対して、このノレソレこと穴子の稚魚はまるでマカロニに対するフィットチーネ…いや、うどんに対するきしめんのように、平べったい身体をしています。
強いて言えば、穴子の稚魚というよりも、太刀魚の稚魚やで、と言うた方が信じてもらえるかも?
身体はほとんど透明なので、この写真のように容れ物にごちゃっと入れてあると固体判別はまず無理。
唯一、少し白みを帯びて、小さな銀色の目玉がある頭がかろうじて分かるくらい。
お箸でつまむと、なるほど、まるで木の葉の葉脈のように見えるのは骨。
はじめてこの魚の存在を知ったのは、自宅近くの駅前で若夫婦で飲み屋をされてたにーちゃんのお店にて。
若いんですが、実に研究熱心であり、常にひと工夫、ひと味ちがった食材を見つけてきては客を喜ばせてくれた板前さんで、彼が「こんなん、知ってはります?」と小鉢で出してくれたのがこの『のれそれ』でした。
味付けは?といえば、もうひとつしか考えられません。
柚子の効いた、関西でその名を言えば知らない人の居ないというポン酢、『旭ポン酢』のみ。
これね、関西の芸人、ことに昔気質の噺家がバラエティ番組などで話題にして以来、いまでは関西なら知らない人はいないポピュラーな調味料になりましたが、昔はマイナーで、しかも知られ始めてからはイッキに人気が集中して品切れとなり、入手困難な時期もあったほど。
それはともかく、もともと…ちうか基本的な用途はてっちり用みたいなこのぽん酢ですが、なんせ何にでも合うので自宅に常備してる関西人は数知れず。
かつて「旭ポン酢やったらドリンク代わりに毎日飲めますわ」と豪語する大阪のDJさんも居てはるほど。
今ではネットでも買えるようになったので、一応こっちもリンクしておきます。
さて、肝心の『のれそれ』ですが、味はというと、つるっとした喉ごし、もちもちっとした食感で、いかにもアミノ酸多そうな甘い中にほんのり苦み…という、いかにもオトナの好む酒の肴、という印象。
大阪では、▲のようにミニパックに収まったぽん酢、もみじおろし付きでこんなふうな感じで、百貨店とか生鮮に強いスーパーなどでお目見えしますが、ぶっちゃけた話、春先の少しの時期にだけ出逢える、まさに季節限定“珍味”の部類。
見つけたら即ゲット…のパターンが多いのです。
さて、このサカナに合うお酒ですが、やはりこの淡泊な味わいを殺さないよう、すっきり気味の繊細な味わいの日本酒をおすすめしたいですねー。
あまり甘口では、のれそれの持つ甘みに勝ってしまうでしょうから、むしろ越後や東北方面のスマートな辛口系がいいかもしれません。
でも、マジでこれは季節限定。私も毎年、二回ほどしか口にできないんですよねー。お求めならどうかお急ぎくださいな。
ヽ(´∀`*)ノ ほな、また。
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