いま、自分が観たい景色を描いてみた。9月。
毎回、テーマとシチュエーションに困る看板絵なんですが、なぜか今月の娘はすんなり脳裏に浮かびました。
先月、Twitterで私の絵を好きだと仰ってくださる方が幾人もおられて、滅多に褒められる事のない私は喜び方も忘れてることに気付きまして…ありがたい事です。その時の気持ちを保ったままで描いたのがよかったのか。
九月を思うとき、人の居ない浜辺を想うんですよね。
カナヅチではないけど、私にとって海は鑑賞用。でももう、長いこと浜辺に行ってない。夕陽に浸るってのもしてない。自転車も長い長い間乗ってない…
そんな事考えながらなにげなくスケッチノートにシャーペンを走らせたら、この娘と出逢えました。
全体図。けっこう気に入ってまして、先月半ばに描き上げてからiPhoneのカバーに使てます。
夕陽を観てるんでしょうかね、沖にヨットとかサーファーが居てるんでしょうかね。
両足をどんと砂地につけてます。いえ、描き損じではありません。なぜかサドル低め設定のまんまなんですよ。自分の自転車じゃないのかも…などなど。
B.G.M.はやっぱり山下達郎氏の『さよなら夏の日』これしかないわ。
───と、まあ…こういう、絵に伴う空想はなんぼやっても足りない事はないと思うんです。
でも(;´ω`;)私は普段、どうも描く方での邪念が多すぎるんですね。
もちろん絵で何かのメッセージを伝えたいと思えば、構図とか効果とかタッチの強弱とか色配置とか、計算すべき所は必ず、それもたくさんたくさんあるわけです。
しかし実際に作業として描いてる時に念頭にあるべきは『どう描けば自分の目指す絵、自分が観たい絵になるのか』であって、『この絵を観た人がどう思うか』『うまく描けるか』などは百害あって一利なし。
そんな欲が浮かぶとろくなことがない。
その点、今回はひたすら自分が観たかった海辺の風景をどうしたら描けるか、に徹することができたのと、8月の娘からやりはじめた『水彩タッチでもっと違う雰囲気の絵を』という楽しい課題に挑戦してる嬉しさも手伝ったようで。
なぎさ、みぎわ、なみうちぎわ…
ヽ(*´∀`)ノ 海に関する言葉や文字はほんまに美しいですね。
今回、この前手に入れた『CLIP STUDIO PAINT PRO』というアプリを初めて使って描きました。
昔、やはり水彩独特のタッチが特徴の『Painter』というアプリも、出たばかりの頃に会社で買ってもらって少しの間使った事があるんですが、RGBしか扱えず、また当時は逆にプリンターがCMYKしかなかった(その頃のインクジェットは点描画みたいな粗いもの)ために、変換すると肌色に青みが入るなどなんとも困ったちゃんなもの。
結局ほとんど使わないままだったんでバージョンアップもしないまま、OSの進化から取り残されて。
まあ元々そのインターフェースが馴染めなかった…てのもあるんですが、まだ、手で描くようにちゃっちゃかと作業するには、1メガ1万円で最大でも32メガ程度しか積めなかった時代、よっぽどの高級機でないと全然マシンスペックがついて行ってなかったのもあります。
んで、それから15年。ようやくここにきてマシンのコストパフォーマンスがついてきて、私が使うようなローエンド機でも充分“ちゃっちゃか”描く事ができるようになりましたわ。
Painterもそうやったんですが、この『CLIP STUDIO PAINT PRO』は本当の絵の具の重ね塗り的なやりかたに向いてるみたい。
つまり、ぺったらぺったら、コテコテと絵の具と水を紙の上で混ぜながら塗り拡げつつ、生乾きや完全乾燥の具合を見極めながら色を重ねるのに似た描き方ができる。
なのでPhotoShopでは部位ごとにレイヤーを変えては『囲み』→『塗り』→『ぼかし』みたいな手順だったのが、ともすればワンレイヤーのまま具合を観ながらえんえんと塗り続けていけるんですね。
なによりも1万円以下でフォトショに匹敵する性能の“Mac対応”のドローイングソフトが買えるなんて!なんぼSAIが無料やから言うても、Windowsでは私、よぉ使いませんから。最高です。『CLIP STUDIO PAINT PRO』。
かなりいろんな事ができるようですが、マニュアルを読んでるわけでもなく、まだほんの基本の基本しか試してないので、いずれガイド本でも手に入れてみようかな、と。
───まあ理想はほんまにアナログで描けたらいいんですが、アナログは原画がどんなにいい感じでも、スキャニングすると残念な印象にしかならなかったりで。
そのうち、デジタル絵でも仕上がった絵に、うっかり水をこぼしたみたいな効果もできるようになるかも。もしも「んなもん、もうとうにあるやんか!」ならばぜひともご教授ください。
まぁだまだ暑いですが、ええ秋を迎えましょう。ヽ(´∀`*)ノほな、また。
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コメント
久しぶりです。
いい絵ですねえ。夏の終わりのおセンチ気分をあおりますわ。横顔がカワイイんだ~、また。
普通に考えれば、夕陽でしょうが、これを朝焼けと思って見ると、また異なるストーリーが現れますね。
暑いけど、確実に日が短くなってるし、日が差し込む角度も変わりましたね。大好きな無花果を早く味わわないと、店頭からなくなっちゃうなあ。で~は、では。
投稿: 猫式部 | 2012.09.01 15:02
うおー、猫式部さん、毎度&おひさ&よおおこし!
ありがとうございます!絵をアニメやマンガと無縁に近い人から褒められる事ほど嬉しい事はないです!
そうか、朝でもいいですねえ、なるほど〜。
私は一昨年二回だけ、去年は一度も食べられなかったスイカにリベンジです。
今年はけっこうチャンスがあった♪なんやかんやで夏を堪能してますね、私。ほなほな。またお逢いしたいな!
投稿: よろづ屋TOM | 2012.09.01 23:55
久々におじゃまします〜!
わぁーー!素敵な絵(*゚ー゚*)味がありますね。
色合いと波の感じがいいなぁ〜〜*
私もこんな絵が描きたいなぁ。
よろづ屋さんはペンタブ使って描かれてるんですか?
(前にも同じ質問してたかもですが(^-^;)
確かにスキャンしたら印象変わって見えること多いですね。
ペンタブ一度使ってみたいなぁ〜( ̄○ ̄)
上に載ってるのがオススメ品ですか?
買うかもしれないので参考にさせていただきますね*
投稿: いくにゃー。 | 2012.09.07 22:45
いくにゃー。ママさん、おひさです!ヽ(´∀`*)ノ
うん、今回は結構気に入ってるんです。
そうです、ペンタブですが、もう随分古いし一番安いヤツ。
だからここに載せたのは今私が欲しいヤツなんですよ。
独特の描き味なので慣れが必要ですが、馴染んでしまうと
もう離せませんね。
それと、このCLIP STUDIO PAINTは初めて納得の行く
水彩タッチのアプリでした。しばらくは使っていくつもりです。
投稿: よろづ屋TOM | 2012.09.09 01:35