朝ドラ『カーネーション』には泣いて笑ろて感心しっぱなし。
わが家では『カーネーション』というか、『いとちゃん』ブームでした。
でした、てのは先週の土曜日で小原糸子役の尾野真千子さんが夏木マリさんにバトンタッチしたから。
もちろん夏木マリさんも女優として尊敬してるし大好きなんですが、尾野真千子さんの“チャキチャキの岸和田弁”にハマった人、多いと思うんですよ…
それにしても、いまのNHKの方言再現度は素晴らしいですね。(ハンパない、なんて言い回しは絶対使わへんからね。ええ。)
ゆうたらなんですけど、民放なんか今でも無茶苦茶ですからね。
思わず画面に向かって 凸(`皿´メ)なめとんか、オゥ!? て言いたなりますからね。
大阪…ちうか、近畿以外の方にあえてお伝えしておきますが、泉州(せんしゅう)、つまり和歌山方面の言葉は同じ近畿人でもビビルほど怖い印象があるんですよ。
いえ、これは私の個人的意見…だけではありません。( ̄_ ̄lll)
私が住んでる東大阪市…昔でいえば『中河内』ですが、昔々、『河内のオッサンの歌』なんてのが流行ったときもたいがい恐れられたもんですが、実際に
「おお、よぉ来たのぉワレ」なんちうのを喋る人は観た事なかった。
でも岸和田弁は21世紀の今もナチュラルに現役です。
パッと見、可愛い女の子同士でもあの調子です。
番組当初、ドラマやのに画面からバルカン砲のように放たれる尾野さんの啖呵に何度、本能的に引きかけた事か。
───もちろん、言葉にキレイとか汚いなんかありません。他地方の言葉に対してそう思ったりするのは傲慢この上ない考え方だと私は思います。
が、しかし、あの言葉で終始台詞を廻しておられる役者さんたちはスゴイです。
キツく聴こえる方言は、単語のうんぬんより、元々、込められたエネルギーのポテンシャルレベルが高いのではないかと思うんです。
だからストレスも溜まらないかも知れませんが、ヘトヘトになるのではないかと。
言葉に関しての事が『感心した:その1』だとしたら、『感心した:その2』は皆さんの老け役への取り組み方。
なかでも、私は麻生祐未さんに助演老け役女優賞を贈りたい!! ヽ(´∀`*)ノ
( ♡ω♡)1963年8月15日生まれですよ、1985年度のカネボウのキャンギャル、1961年生まれの私らにとっては、少し年下のめっちゃカワイコちゃんグラビアアイドルやった人ですよ!
その人が、まあ、まあ、なんちう可愛いおばあちゃんを演じはる事か!
ドラマ『仁』の時の武家の老母役のときにまず感心したんですが、あの性格のキッツイ役柄の真逆の、お〜〜〜っとりした役柄でしたからね、今回は。
その“化け方”にも驚きました。(°Д°;)
でもドラマを観ていて登場される度に「をを〜」と私が目を見張ったのは、尾野さん演じる糸子が独り立ちし、小林薫さん演じる頑固一徹のお父さん、“善ちゃん”がみまかった頃から。
まだその頃は、われらが『かしまし娘』の正司照枝さんが実質上“おばあちゃん”だったので、麻生さんは“お母ちゃん”なんですが、物腰といいますか、部屋から部屋へ移動してるだけのシーンでさえも、ほんまに『大阪のお母ちゃん』が全身からにじみ出てた事。
( ̄ω ̄*) いえね、“大阪のおばちゃん”を演じる人はなんぼでもおられるんですよ。
極端に言えば、アフロヘア時代の笑福亭鶴瓶師匠でもやってはりましたからね。
でも“大阪のお母ちゃん”はなかなかおられませんよ?
かつて正司照枝さんが西郷輝彦さん主演の大阪商人根性ものドラマの代表格『どてらい男(やつ)』で、主人公・猛やんの母親役をされた時を思い出しました。
もっとも、猛やんのお母ちゃんは麻生さんの演じたお母ちゃんとは真逆な性格で、かなりきっついんですが、普段は文句や泣き言ばっかり言うてる割には、逆境に負けないシンの強さと、いざという時はケロリとして愚痴どころかいきなりポジティブになり、誰よりも頼りになる逞しさを兼ね備えてるところなんかがまんまです。
戦後なんか、特にそうでしたねえ。ふだんわぁわぁ泣いてはったのに、くじけそうになる糸子を叱咤激励するときの彼女の頼もしさと来たら、私が母から聞かされてきた、戦時中の祖母の姿にダブります。
さらにグイグイ引き込まれたのは、彼女の髪に白いものが混じり始めた頃合い───孫娘三人の面倒など観始めたあたりで、一挙指一投足までもが、ほんまもんの“おばあちゃん”になってゆくところ。
孫のかわいがり方、家の中での緩衝役、いつも変なベクトルで心配ばかりしてたり、逆に妙な所に気を回して面白がったり。たまらんほど可愛いおばあちゃんです。
でも何がスゴイと言って、動き。老人アクション。それもおじいちゃんとは絶対に異なる、おばあちゃんならではの動き。でもほんまは47歳ですよ、47歳。ありえん。
声の出し方───言動もそうですが、台詞だけ真似たって年寄りなんか演じられません。
『ガラスの仮面』で足の不自由な役をあてがわれた北島マヤが、足をくくって役作りに挑んだように、老化は骨格、筋肉から来て、重力に抗えなくなったからこそなってしまうものですから、うわっつらだけ真似ても年寄りは演じられない。
それだけに、先週ぶんでイッキに歳月が流れていく中で、ほんまに急速に“老いて行く”おばあちゃんを演じきった麻生さんには、見た目の可憐さとは逆に、鬼気迫るものを感じたのですよ。
役者さんやから当たり前やないか、と言われたらそれまでですが、そんな事でハイそうですか、と演技できるくらいなら誰も苦労しませんわね。
個性をコントロールできるのが役者?
自分でありながら自分をカンバスにして他人の人生を描いて見せるのが役者?
じっさい、『カーネーション』に登場したひとたちは皆、肌がメッチャキレイな女優さんたちばかりなのに気づきましたか?
特に“髪結いのおばちゃん”濱田マリさんの、まあ肌のプリプリな事。指の綺麗な事。彼女も1968年生まれですから、昔でいえばたいがい“おばちゃん”ですやん?
参加されてたバンド『モダンチョキチョキズ』以来のファンだけに、あのピチピチ感には私もビックリです。しかもそのまんま、おばあちゃんやってるし。
麻生さん、もっと若い田丸さんまでもですが、NHKのスタッフ、なんと特殊メイクなしでみんなおばあちゃんを演じさせてしまった。
ましてハイビジョンですから、いわば開き直りやったんかもしれませんが…
それでも、まったくもってみんな『おばあちゃん』になってしもた。
特殊メイクなんか、上手い芝居の前では要らんのですねえ。
余談ですが、尾野真千子さん主演で『MM9』続編とか作ってくれへんかなあ。
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コメント
毎度すみません。
カーネーションハマりまして、手芸キット買って
年末からずーっと温めてます。
ええ、ハッキリ言って縫い物ダメ!でも、見ていると
出来る様な気がするんですよぉ。何で???
また、大阪弁も好きで本当に楽しみにしてました。
夏木さん頑張ってるけど、やっぱり…違う。
私は江戸っ子の言葉の方がキツク感じますよ。
大阪弁というか、関西系の言葉は憧れです。
麻生さんのお婆ちゃんぶりは、お見事でした。
93歳で亡くなった祖母を思い出しました。
モダチョキさん同い年? うっそーん
糸ちゃんが(尾野さん)最後まで白髪がなかったのが
ちょいと不満です。
投稿: くらりん | 2012.03.07 20:39
くらりん、毎度毎度おおきにね!ヽ(´∀`*)ノ
『カーネーション』のおかげで今ちょっとしたミシン&洋裁ブームなんだそうですよ。
エエ事ですね、ものを作りたくなる、ものを作る道具に触れる、っちうのはね。
特に物語の前半、糸子がミシンを手に入れるまでの苦労話は、ミシンってそんなに高価で珍しくて大変なものやったのか、って大勢の人に再認識させたわけで。
私は明後日のまとめ観が夏木糸子さんとの接近遭遇になります。楽しみ楽しみ。
投稿: よろづ屋TOM | 2012.03.08 10:38