アニメ『アナザー』残酷シーンには本気でビビル。でも洋式ホラーなので…
もうすぐ終わってしまうんですがね。
はたしてちゃんと収束するのか、決着つくのか疑わしいほどの無茶展開ぶりなんですが、懐かしのホラーの名作『オーメン』を思わせる作りが懐かしくて結構気に入ってます。
とかいいつつ、主人公に深くかかわる謎の美少女が最初に登場した時点で“陰気で無表情”、“眼帯してる”…のがヲタアニ的すぎて「またこのパターンかいな」と、そこで一旦引いてしまいかけたんですが、まあ一応意味のある設定ではあったみたいで?
まあお話は簡単にはしょってしまえば『かごめかごめ』をヒントにしたような無差別殺人事件の原因がはたして事故なのか呪いなのか、みたいなモンです(こう書くと実もフタもあらへんですが)。
しかし今の所、ひところ流行ったホラー映画ブームの邦画のような理屈っぽさが感じられないのがええな、と。
と言いますのは、その時の火付けが『リング』『らせん』の“貞子さんシリーズ”なんですけど、それにつづく『呪怨』『パラサイトイブ』…あと『仄暗い水の底から』あたりも、どうもなんとかして呪いの理由付けをして、科学的な解決策へ無理矢理引っ張っていってるような気がしてなりません。
ヒットしたホラー作品群ですが、どれもいわゆるオカルトとは言い難いんですね。むしろ理屈付けしてしまってる時点でSFに近い。ちうか、洋式なんですよ、怖がらせ方が。
まあこの『アナザー』も、“なんらかの呪い”を示唆する展開は『リング』のリード手法と同じで、事故なのか高次元の意思の為せる技か、登場人物が片っ端から不可解な“事故死”をするんですね。
ただし、貞子さんシリーズは見た目の死因は心臓マヒですが、アナザーの場合はかのオカルトホラーの名作『オーメン』のよう。
それもオーメン三部作ぜんぶ集めるよりもバラエティ豊かに“死因”を取り揃えてありまして、カタログのように様々なパターンで次々と登場人物を料理し、コレデモカと無慈悲で残酷な死因を“見せてくれる”ところがものすごい。
しかし深夜帯アニメとはいえ、別段“13禁”でも“15禁”でもないんですよねー。
某同人系コミックにはブーブーガーガー意味不明な事をまくし立てる、その道の方々は知ってか知らずか、こういうのには無関心なんですなあ。
名優グレゴリー・ペック主演を迎えて撮った異色のホラー『オーメン』をご存じない方は少ないと思いますが、あの作風の怖さの向かう方向は、悪魔の呪いや魔物ではないんですね。
“そんなアホな事起こるわけない”という死に方でなく、むしろ日常的にニュースで見かけるレベルの事故の可能性であって、どれもこれも“下手したら運悪く自分も遭遇しうる事故”ばかり。
つまり洋式ホラーの怖さのもとを手繰って行くと、たどりつくのは観客の『被害妄想』から来る『死の恐怖』に根ざしてるんですね。
犠牲になってゆく登場人物たちは、それを防ぎようがないまま、なす術もなく巻き込まれて行くという見せ方によって、この作品の怖さを盛り上げているワケですが、このやり方は劇場を出たらスッキリサラリと忘れる怖さですね。
和式のホラーは、むしろ劇場を出て日常生活に戻ってからが本番。
映画の事はきれいさっぱり忘れてしまうのに、ふと独りでいる時に、映画に出てきた恐怖の要素だけを思い出してしまい、その後トイレは勿論、灯りの消えてる階段下にさえ降りていけなくなる。
日本古来の怪談の基本は『タタリ』とか『呪い』などの不可解で不条理な、本人の普段の行いや生活態度に対する評価などは完全に無視したところから降りかかる一種の災難みたいなモンではあるんですが、実は和式ホラーの怖さの根っこは大脳・小脳が因果的に考え出す具体的な死への恐怖というよりも、もっと海馬に潜む動物的・脊髄反射的なところ───まさに本能に警鐘を鳴らすスイッチを押してしまうんですね。
そういう意味で『リング』は単品ならばけっこう和風っぽかったのに、『らせん』で洋風になってしまってすっかり怖くなくなったのが残念。
『Another』、ここまでは洋式のホラー作品ですが、逆にオチは和風になって「うわー、見んかったらよかったあああああああああ」と心胆寒からしめさせてくれんもんかしら。
ところで公式サイトのオマケのお定まりで『壁紙ダウンロードページ』があるんですが、「をい、コレを使えと言うんか」と思わず突っ込みたくなるのが数枚あるのが笑えます。
ほな、また。(´∀`*)ノ
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