『日常』『侵略!イカ娘』このたくましさに憧れます♪(2)
いきなりドーン。▲彼女が『イカ娘』です。それでフルネーム。劇中では親しみ込めて“イカちゃん”と呼ばれてます。
なぜか。
イカなんです。こんなに可愛いけど。( ̄ロ ̄lll)
───そう、この絶対反論を許さない、ものすごい押しの強さがたまらんのです。
前回の『日常』が高度な演出技術で荒唐無稽な矛盾を“見て見ぬフリ”にしてるのに対して、こちらの『イカ娘』は正々堂々…というよりも、強引な力技で押し通してしまうんですね。
そういう意味で、『侵略!イカ娘』には第一話ですでに画面の前からブッとびました。
なぜなら、さっきも書いたように、主人公は自分の事を深海からやってきたイカだと言うのです。それも「人間から地上を奪いにやって来たのだ」と。
頭巾のような帽子をかぶり、白いワンピースを着たその姿は10〜12歳くらいの可愛らしい女の子に見えるし、語尾に「…でゲソ」とつく以外は、ちゃんとした日本語を普通にしゃべる。
マンガなので、髪は極端に言えばベタ一色に塗りつぶした表現なのが当たり前なんですが、彼女の青い色をした髪は実は触手で、自由自在にものをつかんだり怪力で投げたり、さらにはどこまでも伸びる。
オトナな方は「マンガなんだから何ができても当たり前でしょ」と仰るかも知れません。
いえ、その通りなんです。
♪木の葉が沈んで、石、泳ぐ…なんてアニソンを引き合いに出すまでもなく、戦艦やD51が隣の銀河へ飛び、三国志の英傑達が現代にミニスカの美少女として生まれ変わっても構わんのです。
しかし、かの宮崎 駿 監督が仰ってるように、大きなウソ(あるいはデタラメ)をお話の中でリアルに見せるためには、リアリズムをきっちり積み上げる必要があるんです。
なにもアニメに限らず、尊敬して止まない司馬遼太郎大先生の歴史小説といえども、フィクションである以上、どこかで大ウソのために真面目にリアリティを追っかけなければならない。
しかし本来、ギャグマンガはそうした“くびき”から開放された究極のフィクションだったはずなんですが、作者も人間、そして人間は常識に沿って生きてますから、どうしてもどこかで「んなアホな」とクールになるものです。
それを地で行くには、かなり勇気が要る事も事実です。
ただし、設定がシッカリした話はそれはそれで八方塞がりになります。
侵略者ネタのギャグマンガといえば、大ヒットした『ケロロ軍曹』がありますが、そちらは「地球侵略の先遣隊が色んな事情や理由から、居候状態になってダラダラと居続ける」という物語のコンセプトが、物語を続けていくための障害になっていくんですね。
「こいつらは本当に侵略する気があるのか」という、彼らに向けられるお話の進行上の突っ込みは、「どうせ堂々めぐりだろう」という、着地点を見失いマンネリ化に直結してしまうんですね。
さてイカ娘はその点、どうかというと。
『このお話の主人公はイカの女の子。地球を支配するために深海からやってきた。彼女には超能力がいろいろ備わっていて───』
コンセプトの時点でむちゃくちゃです。( ̄ロ ̄lll) 最初からそんな事できるわけがない。
彼女には同族もいないようだし、彼女自身、自分が何者だとか深く考えない。あるのは目的意識だけ。ケロロ軍曹の場合は、ケロン軍という、スターウォーズにおける帝国軍みたいな強大な軍事的背景が実存してるという“リアル”があった。
でもそのリアルへのこだわりがあったがために、「どうしてこの連中は職務怠慢で処分されないのか」を含めての、大きな矛盾が生じ、堆積していってしまう。
もちろん、野暮ですよ、そんな事をギャグマンガに求めるのは。
しかし事実、何度かの劇場版制作を通じて、ケロロ軍曹はたしかに“マンネリ”と“頭打ち”という逆風の中で失速してゆきました。
でもイカ娘は最初から矛盾ありきで無理矢理に話を突き進めているので、究極の結論がすでに出てるんですね。
『そんなことはどーでもいいでゲソ』……という。( ̄ロ ̄lll)
いちおう、理屈も出してくるんです。
小さな女の子の身体で、なぜ触手で大のオトナや巨石をつかんで投げられるのか?
その解答は、“イカ娘は自在に体重を変えられるブレスレットをしている” から。
( ̄フ ̄lll) 自重で潰れないのか…は、ナシ。
体重を思い切り軽くすれば、海風に乗って空が飛べる。
( ̄カ ̄lll) そのテクノロジーはどこから…
深海にはそうしたものがある───万事、そのノリで進めてしまうのが『イカ娘』の凄さなんです。
だって、イカで、女の子で、可愛くて、元気で。
でも、イカで。(;`ω´) いやあ、やはりすごい作品です。
| 固定リンク
「◆オススメ座《アニメ》」カテゴリの記事
- 『いなりこんこん恋いろは』伏見のお稲荷さんのガイドなど。(2014.03.29)
- (*´д`*)こ、これはイカンわぁ!figma アスナ from SAO(2013.02.08)
- 『SAO二期:基本はやっぱり、キリト王子とアスナ姫の冒険物語』(2012.12.16)
- 『SAO:二期』スグハ目線で描く初恋物語は、あまりに切ない。(2012.12.08)
- 『ガールズ&パンツァー』見たら絶対戦車に乗ってみたくなる♪(2012.11.21)
コメント
あのよろしいでしょうか。いまどきジャングル黒ベェは、しらないひともおおいのでは?。
♪木の葉が沈んで、石、泳ぐ、若い人には、知っててもらいたいかも。
投稿: しのだ | 2012.07.15 08:42
しのださん、はじめまして&いらっしゃいませ!
ですねー!かの傑作アニメはどっかのアホタレが人種差別だのなんだのとケチ付けたせいもあって、ある時点(カルピスのキャラクターが黒人ではないかとか)からパッタリ再放送が無くなりましたから。
そのせいでしずかちゃんに次ぐ“風呂シーン多出”ヒロインは話題にもならず…
でもおかげで、しのださんがコメントくださったわけです。
ぜひまたお越し&コメントくださいませ。
投稿: よろづ屋TOM | 2012.07.18 10:29