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2011.05.09

最近の大河ドラマがどうにもこうにも、あいたたた…な件。

Sakae_ieyasu 先月TSUTAYAが『旧作100円レンタル』ちうのを久しぶりにやってくれて、さらにたまたま無料クーポンが2本分あったんで、前から気になってた旧作の大河ドラマ一年分をまるごと借りてみましてね。
 で、いま観てるのが『徳川家康〜完全版〜』
 とにかく全部で13枚55話もある。しかしこれを毎週一本のペースで観ればフツーにクリアできるやろと思たのに、まあ観始めたら止められんのですわ、面白うて。
 
 ついつい一回の試聴で3話ぶん、おおむね135分をズラッと観てしまうんです。余裕があればさらにもう一枚お代わりしたいくらい。
 この『徳川家康』なんと、もう28年も前の作品になるんですな。主演の滝田栄、役所広司、武田鉄矢…それぞれ家康、信長、秀吉を演じる三氏のまあ初々しいちうかお肌がピチピチしてることよ。

 エキストラはもちろんのこと、出演している役者さんたちも今みたいに多くないですよ、戦闘シーンもヘタしたら数人の手元だけとかね。そらもぉ観客の妄想力を思いっきりアテにしてはります。
 なのにぐいぐい引き込まれるのは役者ヂカラと適度な解説ナレーションの挿入による、舞台芝居の手法───すなわち観客の空想力で画面を補わせる───をうまく使ってるから。
 とくにこの作品では役所さんが大注目されて、次の年にはNHK水曜時代劇の『宮本武蔵』を演じることになるんですが、私の知る限りこの人ほど信長らしいオーラのある人は他では萬屋錦之介さんくらいか。

 いや、今年の『江』のトヨエツこと豊川悦司氏もキャラの立て方や雰囲気、貫禄などかなりワタシ的にはかなり新鮮な雰囲気もあって好ましいんですが、いかんせん『江』はもぉ物語自体が初回からボロボロで、脚本も演出も無茶苦茶なのでこれは彼が気の毒や、としか言いようがない。

 滝田家康のバージョンでの秀吉は武田鉄矢氏。これがまたよぉ似合う。
 やるときは常に全力投球で、がむしゃら一本槍の行動派であると同時に、常に計算高くてどこかウラオモテのある腹黒さを持っていて、それでも何故か好人物に思えてしまう所なんか、武田鉄矢氏そのまんまに思える。
 さらにここでは細かく触れませんが、本田作左右衛門、石川一正、本多鍋之助忠勝、榊原康正などなど、松平家譜代の面々とか、とにかくなかなか雰囲気を掴んだキャストと言っていいでしょう。

 そういう面を観ても、『江』版での秀吉を演ってる岸谷吾郎氏はこれまた気の毒。あれではあまりにもしょーもない人物にしかみえませんわ。少なくとも天下を取れる器の人物では絶対にない。
 岸谷吾郎氏は上手い俳優だと思うし、脚本と演出次第ではトヨエツ信長同様、きっと観たこともない秀吉を演じれたはずですが、惜しいかな、違った意味で“観たこともない秀吉”になってしまってますな。

 で、かえりみてここ数年の大河で、ちゃんと次の話が観たいと思った作品は『天地人』と『篤姫』だけやったことに気づきます。『篤姫』はたしかに面白かった。
 ただし『天地人』はブッキー、阿部ちゃん、一輝ちゃんが(失礼、この三氏はデビュー時からずっと大好きで妙に親しみがありまして)出てるから観てたようなもんで。

 なんでやろか?……とつらつら思ってて、フト思いついたことがあります。

 大河がつまらなくなる条件の第一は、でたらめな設定のままで無理に押し切った時。特にキャラクターの年齢設定と整合性の取れない時代背景。

 要するにね、時代小説ってのは一応史実を中心にフィクション化するわけですが、それでも最低限ゆるぎない部分てのがあるわけです。人の書いた記録故のブレやエラーの許容範囲はともかくも、一応大筋としては実際にあったことですから。
 もちろん大河ではなく、SFとかファンタジーなら石川五右衛門が原色の空を屋根から屋根へ翔び、赤影が信長を助けて怪獣やら空飛ぶ要塞と戦い、軍隊無関係で武将たちが各々超能力でプロレスしてようが、性転換して女子高生化した武将たちが現代を舞台に学園ドラマしててもええわけです。

 ところが大河はそうはいかない。ヘタしたらそれを観た学生か学生レベルの人がそれを史実だと思って鵜呑みにするかも知れないから。
 そらね、むしろ科学兵器や宇宙人が出てくれば「んなあほな」でウソだと分かるんですが、逆に中途半端にリアルになってて、難儀なことに大河の通例で、劇中やエピローグにその回の舞台などの現在の姿を紹介したりするから尚更まぎらわしい。

 たとえば、いまの『江』で何が問題といって、やはり年齢。

 初めて彼女が政略結婚に出されたのは12歳。───見えますか、12歳に。( ̄▽ ̄lll)
 ああなると放送的な冒険してるねんとか努力でナントカできるレベルを完全無視してて、もぉ歴史ファンをなめきっとるとしか思えません。
 光栄の信長の野望やあるまいし、戦場に登場した時からすでに爺さんのアイコンやったり、逆になんぼトシ食ってもずっと同じ若武者のアイコンやったらマジしらけますわな。

 よい対比の例として挙げるとすると、『独眼竜政宗』で知られる伊達政宗に嫁いだ愛姫(めごひめ)が13歳でした。
 それをゴクミこと後藤久美子ちゃんが演じたわけですが、当時まさに彼女も13歳やったんですな。(ちなみに政宗はひとつ年下で、少年時代の彼を演じた子役もやはり12歳)
 政治がらみを背景にして“妻”というおよそ子供らしくない立場で、見ず知らずの大人の中へわずかな供回り数人と一緒に放り込まれることのプレッシャーは、今で考えれば児童虐待にも近いものではないかと思うのですが、それくらい痛々しくないと彼女たちの悲哀は伝わらない。
 まあ低迷しまくってる今の大河の視聴率考えてのことであんなみっともないハメになってるんやとは思うんですが、ウケ狙いのキャスティングした時点で逆に失敗でした。

 同じように、いくら筆先三分とはいえ、下克上デフォルトの実力主義時代に天下人となった秀吉が、単なる政治力や裏取引に長けた人物(今で言えばO沢イチローみたいな?)であるはずがないわけで、そのあたりの『人間像』を単純な一枚物でしか描けなくなっている脚本家の観察眼と勉強不足にも問題がある。

 大河がつまらなくなるもうひとつの理由、それは視点が偏れば偏るほどに安っぽくなって行くこと。

『忠臣蔵』や『水戸黄門』みたいな講談などのフィクション系から発した物語は、基本的に勧善懲悪の傾向があり、目的を持った“正義の味方”と、悪辣非道な“かたき役”がいる単純な世界観に日本人が国民的になれきってしまっているので作る側も観る側もごっつ簡単でいいんですが、大河すなわち歴史劇の場合はそんな“仕分け”ができないんですな。

 歴史小説の数だけ主人公と英雄がいて、その数だけ正義と悪がある。
 だからこそ戦国最大のキャラクターは信長であり、信玄であり、また戦国でなくても幕末の新撰組などはまさにどちらにも描かれますわね。

 例えるならガンダムというひとつの作中に、主人公たりえる人物は無数におるように、戦国はほんまに様々、いろんな立場、いろんな階層の人間が誰でも主人公たりえる。
 本屋さんに行って時代小説のコーナーを端から端まで観て戴ければ一目瞭然でしょう。
 信長、信玄などの有名どころから「誰やねん、これ」と思うマイナー戦国武将、さらには一兵卒から架空の人物まで含めたらほんまに主人公だらけ。
 戦国時代の面白さは、ひとつのまつりごと、ひとつの戦が立場の違いごとや同時に様々な視点から多角的に捉えられていること。さらにいろんな階層の人間によって、その上視点は視覚のバリエーションまで加わることになるわけで、このマルチ度は当然ながら特定の藩のみが参加していた幕末動乱の比ではありませんね。

 しかしそれではドラマにならないので、ある程度主人公よりの目線でフィルターを掛けて行くわけですが、そのさじ加減こそが物語の妙味。
 いわばガンダムのシャアやランバラル、いやマ・クベやキシリアみたいに嫌味な人物でさえも魅力的に描けてこそ物語が膨らみ、面白味がいや増すわけですが、これを本当に近視眼的、あるいはステレオタイプに単純仕分けして「こいつ主人公やからエエ奴」「こいつ◯◯のカタキやから悪いヤツ」的に描いてしまっているのが昨今の“つまらん大河”なワケです。

 もちろん逆に言えば、いろんな解釈によるさまざまな信長や秀吉があっていい。
 でも今回の脚本・演出は大切な事を忘れている。リアリズムを追求せぇとは言いませんが、存在感を感じさせるにはそれなりのリアリティがないと話は成り立ちませんな。

 彼らはたしかに日本のトップやったわけです。それも選挙とか派閥とかの裏工作ではなく、部下が数世代にわたって生命と将来を預けて押し上げ、また引き揚げられながら、数百年に及んだ戦国という生きるか死ぬかの徹底殲滅戦なんてとてつもない現実の中で、一種の巨大な運命共同体として機能させうるだけの魅力と実力と行動力があった人たちなんだ……と言うことは歴然たる事実です。

 画面を通してでも、思わず我ら下っ端の平民がひれ伏すような貫禄───カリスマ性───を備えていてこそ、天下を取った人たちはこんな人やで…と語れる資格があると思うのですよ。

 けったいな話ですが、総合での大河ボロボロに対して、BSでの歴史検証番組がますます充実してきてますね。
『坂の上の雲』が見事な『大河ドラマ』であるように、いずれはタイトルだけ総合に残したままで、実質上はBSに取って代わられる日も遠くないのではないでしょうかね。

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コメント

TOP絵見て「雲のじゅうたん」思い出したのは私だけ〜?
大昔のNHKの朝の連続ドラマでそんなのがあったはずなんだけど…

大河はねー、もう長いこと見てないです。
小さい頃は多感なので、なおさら印象深く残るとは思うんだけど
そういうのを差し引いてもやっぱり昔の大河は良かったと思います。
今ねー、どうしちゃったんでしょうね?

私事のご報告なんですが、うちのブログざっくりと削除されてしまいましたorz
ちょっとした手違い、というか、私がgooブログの説明をしっかり読んでなかったので…
やむなくそういうことになってしまいました。
駄文の宝庫みたいなブログでしたが、それなりに愛着もあって(+0+)ぁゎぁゎ…な気分です〜orz

投稿: ビタミン店長 | 2011.05.17 15:28

店長さん、毎度!……Σ( ̄ロ ̄lll) ゑ。全削除!? それはまた…
まあ作品のオリジナルはちゃんとあるんでしょう?新しいギャラリーの誕生を心待ちにしております。

実を言いますと私、子供の頃は大河なんて全く観てませんで、この徳川家康から観始めて、この次が伊達政宗、そして武田信玄…てな具合でハマったんですよ。
同時に歴史に初めて興味を持ち始め、戦国小説のトリコになりました。
ただ、たしかに家康の頃でさえ大河は数本に一本がアタリだと言われてたそうですが、今はその率もかなり下がってるんじゃないでしょうか。

さて『雲のじゅうたん』、仰るようにNHKの朝ドラ。この作品を描くためにもちゃんと資料として関連本や総集編ビデオを持っておりますが、浅茅陽子のデビュー作ですよ。

ところで新ブログ、ココログはいかがですか?使い勝手いい方と思いますよ。

投稿: よろづ屋TOM | 2011.05.19 01:59

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