あえて言おう、やっぱりソースマニアである、と!
前回に引き続き、ソースのお話です。てことで上はわが家の卓上ソース部隊…てのは前回『あえて言おう!私はソースマニアである、と!』の終わりの方でご紹介いたしましたね。
Σ( ̄ロ ̄lll) なんですとー!読んでない?廻れ右して読んでから来なはれ。
───さて、復習をやってこなかったイケナイ子はほっといて、今回のお話へうつりましょう。
さて、上の写真がうちの卓上ソース軍団。このほかにキッコーマンのウスターソースがありますが、いわゆる頭の黄色い定番ソース差しに納まってるので今回は記念写真から外れました。
さらに広島式お好み焼きで知られるオタフクソースもあるんですが、残り僅かでお世辞にも見てくれがよろしくないので入れませんでした。
オジカは先にイッパイ紹介しましたので、他のラインナップを。
左から、カゴメとんかつソース、オリバーどろソース、ダイコクフルーツ“焼きそば用”“トンカツ用”“串カツ用”さらにごまみそソース、最後がコーミのごまみそソース、そしてカクキューの味噌カツソース。
この3月で大阪で生まれ育ってついに半世紀生き延びた私が知る中で、もっとも旨いお好み焼きと焼きそばを食べさせてくれるのが、近鉄奈良線瓢箪山駅前にある『丸福』という小さな昔ながらのお好み焼き屋さん。
大阪式お好み焼きが地球の日本の大阪府にしかない料理だと定義するのなら、間違いなくこのお店が宇宙一だと断言します。
ぶっちゃけた話、ちうてもここだけの話ですが、宣伝が上手っちう理由だけで対外的に有名な『ぼて◯ゅう』も『◯房』も、おせじにも美味くない。てかマズい。あれなら私が自前で作った方がはるかにマシ。
特に『千◯』はひどいもんで、以前関東の人に連れて行けと言われたから渋々行ったんですが、そらもぉひどいもんで、手際も段取りも悪いわ、焼く事さえモタモタしとるわ、焼いてる間は客が居るのにスタッフ同士で私語してるわ、あんまり腹が立つから自分で焼くから寄こせ、とコテひったくった位。
そもそもね、大阪で自分でお好み焼きを焼くことがでけへんヤツは大阪人を名乗ったらアカン事になっとるんです。店の人間が焼いてエエのは焼きそばと、持ち帰り用をお願いしたときだけ。
そしたら店のレゾンデートル(存在意義)は何か?( ̄へ ̄)6
店ごとに異なる生地の作り方と、秘伝(あるいは偶然の産物としての)ソース、鉄の分子と分子の間にまで脂の染み込んだ、ダシの利いた鉄板と、それをゴウゴウと炙りまくる地獄のような火力を持った、一般家庭では真似のでけんガス台の存在であります。
従って、焼くのは客。生焼けであろうが、焦げまくりであろうが、天地返しをしくじって四散しようとも、自分で焼くからお好み焼きと言えるのであります。
第一、お好み焼きくらい自分で焼けんでドースル。学生の時に修行しとくもんやねん。
さあ、その千ボーの店員。バイトか正社員か知らんけど、まあ下手くそな下手くそな。
案の定生焼けのままで出してきやがって、べちゃべちゃにソースを塗りたくる。またこのソースがダダ辛いだけの芸のなさ。深みもこくもなんにもない。
結局お好みはまともに焼けていず、私のはらわたが煮えくりかえっただけ。
私は妄想の中でそいつのツラを鉄板にぐいと押しつけて、ひったくったコテで思い切りギュウギュウに押さえつけてましたよ。ああ、今思い出してもムカツク。
で、後日『丸福』にその客を連れてったとき、私の言い分が正しいことが証明されたのであります。
つくづく『行列の できる店に うまいもんなし』
閑話休題。
その丸福のえもいわれぬフルーティでとろけるような甘味の所以が知りたくて、これでもか、これでもかと各メーカーのソースをさんざん試したけど、あえなく敗退し続けてたんですが、それでも色々判ったことがある。
まず、ソースは古いほど旨い。空気に触れて古くなったものほど旨い。もちろん賞味期限など無意味。だから買ったらまず開栓して、乾燥と埃よけにフタこそしてますが、基本的に空気に触れさせた状態で何ヶ月も放置してます。
ほんでもって時々かくはんして、さらに空気に触れさせる。
そして、お好み焼きソースの代表のように言われるオタフクソースは大阪式には合わない。
なぜなら、広島式は徹底的に野菜の甘みを出した上でソースで味を引き締めるため、オタフクソースは甘みが押さえてある。
だからメリケン粉をダシで溶いた生地メインの大阪式には塩辛いんですな。まろみが足りない。
で、私が採った作戦は、様々な古いソースを全部鍋にぶっ込んで、さらに蜂蜜や水飴を加えた上で再加熱する、という方法。
でもあきませんな。所詮は素人の生兵法。たしかに市販品よりもカドが取れてましたが、丸福で食べられるソースの味にはほど遠くて。
そんなあがきをしまくって20年ほど。前の勤め先の通勤路には、Aプライスという業務用食料品専門の巨大なスーパーがありましてね。
そこでたまたま見つけたのが見慣れないメーカーのソース。
ちうても私が見慣れないだけで、業界では定番やったんですな。
それが『ダイコク』のフルーツソース。
ダメモトで買って帰って、ぺろりと舐めてショックを受けた。
まったく同じではないけど、丸福のソースのベースはこれではないのか。これを寝かせて返して寝かせて返してしたら、ああなるのではなかろうか。
奥深い甘み、あくまでソフトでしかもしっとりと舌に浸透する存在感。そしてなにより、鼻に抜けるこの酸味と果物由来の複雑な香り。
これこそ、大阪のお好み焼きのためのソースやんか。
逆に広島式でダイコクソースを使うと、甘すぎてキャベツやもやしの甘みとケンカするんですな。
やはり酒と同じで、その土地のものはその土地でできたもので作り、味付けするのが一番。
写真左の、大阪が誇る庶民系ソースの傑作『オリバーどろソース』はおいといて、三種類居並んでますが、このうち『お好み焼き用』と『焼きそば用』の違いは粘性抵抗程度。
(“通りすがり”さんから、オリバーは神戸のメーカーだ、というクソリプ的ツッコミがありましたが、大阪が誇ってることに間違いはないので訂正はしません。)
とはいえ、焼きそば用のとろみは実に理にかなってて、焼きそばを焼くのに丁度良い流れ方、しみこみ方をする。
さてその右の『串かつソース』が逸品で、なんとこのソースは“飲めます”。
塩分が控えてあると言うよりも、色こそソースですが、シャバシャバなジュース状で、少し口に含むとまるで一種の野菜トマトスープのような錯覚すら起こすほどまろやかでジューシー。
なので揚げたての串カツをドボドボになるまで浸けても、素材の味を殺すことがないんです。
まさに“かける”のではなく“浸ける”ためのソース。
最後においといた『どろソース』これ、関西以外でも売ってるのかどうか知りませんが、ようするにソース熟成タンクの底に溜まった“澱(おり)”なんですな。
だからコショウだのスパイスだのもふんだんに入り込んでるし、そのために舌触りもざらつきがある。しかし、そのコクは普通のソースでは考えられないタイプの複雑なもの。
で、私は自宅では一枚のお好み焼きを、ダイコクソース、なにもなし、ダイコクソース+マヨネーズ、どろソース…という四つの領域を作って楽しんでおるのです。
ヽ(´∀`*)ノ あ〜。思い切り語ったった。ソースばんざい。
あ。いかん。カクキューとコーミの『みそかつソース』の事を忘れてました。
実はまだ、これぞ!という味噌カツソースに出逢っていません。名古屋で数回、あとは名古屋を通るとき駅弁で喰っただけなんですが、その時の感動した旨さを再現できる市販味噌カツソースがちっとも見つからない。
八丁味噌をベースにした味噌カツソースという共通項があるだけで、ほんまにみな味が違うんですが、私が求める味がビンゴしません。
味噌カツソースも奥が深いわ。(;´д`;)そう、私は味噌も大好きなのでした。
て、ことでもっぺんオジカソースの宣伝もしておきます。大黒ソースも通販系を探したんですが、関西ならフツーにスーパーに売ってるせいか、そういう卸は見つけられなくて。残念。
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コメント
右の串かつソース、元の勤め先に入荷してました
ウスターを筆頭にサラサラのソースに馴染みが無いので買うことはなかったのですが…TOMさんがオススメしてるなら買ってみよう!
いやしかし
オタフクが甘み控えめってのにはおどろきです
…
投稿: もこねえ | 2011.03.04 05:57
もこねえさん、毎度です。
オタフクを初めてクチにしたとき、甘くないので驚いたんですよ。
ウスターソースの実力はまず千切りキャベツでお試しください。
グリーンボールや新キャベツが引き立つのは関東型、細く刻まないとイケナイようなシャキシャキ固い系キャベツが引き立つのは関西型です。
投稿: よろづ屋TOM | 2011.03.07 01:57
はじめまして。
オリバーソースは神戸のソース会社ですよ。
大阪じゃないです。
「神戸のソースは香辛料が効いてスパイシー」…と聞きました。オリバーソースもそうらしいです。
大阪は甘辛らしいです。
突然すみませんでした。
それでは、失礼します。
投稿: 通りすがり | 2018.06.24 15:55