生野コリアタウン、ほんまもんのキムチの実力。
先週は生野にて久々の補給。こんな撮影の仕方やとなんかグロテスクですが、全部キムチです。
それも最低単位が白菜で1kg、それ以外のチョット高級食材版が500g。これが大阪の“ほんまもん”の韓国式キムチの迫力。
1kgゆーてもですね、ヤンニョム(キムチを和えるソース部分)や水分の割増しありきで1kgちゃいますよ。正味の白菜がまるごと、しかも必ずオマケになんか他のキムチを入れてくれたりするんで、1kgを軽く越えてしまう。
それで今の季節(白菜の収穫の度合い=相場で多少の変動あり)は、なんと¥600。
さて言わせて戴きますけど、日本でいわゆるキムチとして売られてるものは、たいていが単なる漬物モドキ。化学調味料と適当な塩分、それにニンニク風味をつけただけの塩漬けがほとんど。
で、ほんまもんはどーかといいますと、定義としては『漬物式生きてる乳酸発酵食品』でしょうか。
なんせヤンニョムと呼ばれる“付け汁”の基本は、アミやスルメなどの魚介類の乾物…というか塩辛などをニンニクと塩とで和えまくったとんでもなくゴージャスで凝ったもの。
場合と季節によっては生の牡蛎とか海老とかホタテとかもぶっこんであったりするんで、実は“うまそーな有機物”なら何を入れてもええんかい、的なファジーさも包括している上に、塩加減や発酵加減で微妙な差異がなんぼでも生まれる。
韓国のオモニ(お母さん)の数だけ異なるキムチがあるといわれる所以ですな。
そこへ天然の菌類たちによる『醸し』があって、メインとなる野菜の材料が過ごしてきた環境もあって、しょーみの話、同じ味にはなかなかならんのもまた魅力。
よくテレビの料理番組とかで『酸っぱくなったキムチは◯◯と◯◯して…』みたいな紹介のされ方するんですよね。
つまり『酸っぱくなったキムチ』は現代日本マスコミ上ではどうも余り物か、ヘタしたら廃棄食品扱いなワケですよ。
あえて言おう。凸(`、´メ)あんたら、根本的に間違っとる。
そもそも韓国はそうなってからがキムチの本領発揮。てか本来漬物とは発酵食品。いや、冗談ではないですよ。発酵してからがほんまに旨い、ちう話ね。
例で言えば、あなた京都の『すぐき』が酸っぱいからと棄てますか?みたいなもんです。
あれは乳酸発酵あってこその美味さ。てか、本来日本の漬物はみな発酵ありきなんですよね。ぬか漬けなんかその代表格。いわゆる浅漬けなんか、ぺっぺっぺ。
そんなん好むヤツは野菜に塩振って食っとけ、と言いたい。
漬物は発酵してからが華。
そのうま味たるや、化学調味料なんかどんだけ逆立ちしても絶対におっつかない。
栄養価もカラダに対する効果も雲泥の差。ヽ(´∀`*)ノ
ダークグリーンと言うよりもオリーブドラブに変色したキュウリの古漬け、食べた事ありますか?アテにすると、安物の日本酒でさえも天下の銘酒かと思うほどに美味しくさせてしまうのですよ。
その点で言うと、生野のコリアタウンにあまたあるキムチはみな、発酵ありきのほんまもん。
今回ゲットしたのは、白菜(ペッチェ)トラジ(桔梗の根っこ)カットゥギ(大根キムチ)、そしてミョウガの醤油漬けとキュウリの醤油漬け。
醤油漬けゆーても韓国のお醤油なんで、日本のモノとはひと味違う。
かつて石坂浩二氏がいみじくもゆーてはりましたが、中国や韓国の味噌や醤油って、良い言い方すれば、日本のよりも味がシンプルなんですな。
日本の味噌や醤油は、単体でなんにもしなくても旨いんですが、アチラのはそうではないんで、むしろ野菜や材料のうま味が強調されるようです。
でもミョウガ、しっかり青唐辛子の輪切りがドドンパと入ってて、ミョウガのピリピリに青唐辛子の電撃が加わるともぉのすんげー刺激。
さあ、しかし実は今回の出色は、なんと『トマトのキムチ』。
「イゲ、ムォエヨ?(コレ、なんスか?)」と尋ねて「トマトよ」と聴いたトマト大好きな私がこれを買わないはずがない。
でも写真でお判りでしょうか?一見、「トマト?どこ?」と思ってしまった。
なんと、使ってるのは青いトマト。そう、かの名作映画で出てくる『グリーントマト』を使ってるんですよ。でも今トマトは高いので、最低単位が500gで¥600。
さあ、食べてみてビックリ。ぶっちゃけた話、こいつはサラダです。トマトは食感シャキシャキ、もともと持っていた酸味はうまい具合に漬け汁に出ていて、他の野菜を見事にまとめてる。
もちろん発酵食品属性も備えてるんで、まあ旨いのなんの。キムチと言うより、こんな旨いサラダは初めて食べた、というのが正直な感想。バクバク、バクバク、あっちうまに平らげてしまいました。
次回見つけたら絶対1.5kgは欲しい。(*´Q`*)
ところで、よく韓国食材は大阪の鶴橋が…みたいな感覚があるんですよ、我々大阪人の間でも。
でも実は鶴橋はいわば“観光客向け”というか、けっこう日本人に合わせた味やったり、食材自体も日本人に馴染みのないものは少ないんですよ。
それもあるけど、お値段。鶴橋ではキムチ1kg¥600なんてあり得ません。でも駅前で行きやすいし、名前も知られてるんでついつい、鶴橋だけで終わらせてしまうんですよ。
しかし。
生野のコリアタウンの方がはるかに安くて、味も日本人に迎合してないんで、むしろコリアン・フードに惚れた人ほどハマるはず。
先に書いたように、オモニの数だけキムチの味がある。ちうことは、コリアタウンでキムチ売ってる店の数だけ、違う味に出逢えるわけです。
ほかにもスンデといって、豚の血をベースに春雨や野菜を一緒に腸詰めにして茹でた韓国のソーセージ(これも店ごとに味や具材が異なる)とか、ホットック(黒砂糖を餅に挟んで鉄板で焼いたもの。砂糖が溶けてアンになってる)とかも普段から売ってるし、絞りたての韓国式ごま油の量り売りなんて、一度食べたら日本のごま油が頼りなくなるというシロモノだらけ。
私にとっては食のワンダーランドです、生野コリアタウンは。
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コメント
TOMさん~~~~わかってらっしゃる!
ウチのオヤジの作るキムチも季節ごとにぶちこむ食材が変わって美味しかったのなんの…
個人的にはホタテ入りキムチが大好物でした。ベースのつけダレにカツオ出汁を使ってたんですが、それと良く合ってて…^^
ある時期にしか食べられない白菜の「花」←芯の中心の浅漬けキムチも大好きでした。
酸味のないものなんか美味しさ半減ですよねー
どこのキムチを食べても、味にグラデーションが無くて寂しい限りです…
バアさんのキムチ食べたくなりました^^
投稿: もこねえ | 2010.11.22 03:24
もこねえさん、毎度〜〜!
いやもぉね、イッキに発酵してしまうと困るんで、多少歯ごたえとかは辛抱して1kgを小分けにして冷凍保存するんですが、次々と食べてしまいますね。
とにかくなんでもキムチがあるのが嬉しい。けど、お店では基本的に名札とかつけへんのですよね、韓国の人って。でも忙しそうにしてはるのに、ひとつひとつ「イゲムォエヨ?」と訊くのもなんか気を使うんで、なかなか一式味わうなんてでけへんのがジレンマ。
投稿: よろづ屋TOM | 2010.11.23 10:12
一部の世界では「爆発物」として恐れられている「キムチ」ですね、ビニール袋がパンパンになるまで放置してはいけません(笑)、本格キムチはかなり好き嫌いが分かれますので万人には勧められません、発酵食品は本当に旨いけれど最初の取っ付きが難しいですね(くさやとかウォッシュタイプのチーズとか、、)
今年は韓国では白菜が不作で値段が3倍ほどに値上がりしたために社会問題になりかけたと言う話もありました。
>ところで「PINKNUT.INC」様がエキサイトブログの更新で「電脳コイル」の記事を掲載しましたよ~♪
投稿: ざんぶろんぞ | 2010.11.23 11:14
たいへんお久しぶりです!お元気ですか?
10月も11月もしっかりお嬢さんを見にきてましたよ〜♪
ビールのお嬢さんの胸の谷間にドキドキしました。
キムチは鶴橋で買うのとスーパーで買うのは、別の食いもん?てくらいに違いますね〜
私は鶴橋キムチしか知らんのですよ。
でもあまりの美味しさ、あの旨味は何?ってびっくりしました。
初めて食べた瞬間、なぜかエースコックのワンタンメンに合うはず!って思いついて…
やってみたら思ったとおりバッチリでした!
ほぼエースコックのワンタンメンで食いつくしました。
トマトのキムチは…美味しいの?(?_?)
うちのブログしばらく更新止まってますが
クリスマスまでには落描きでも載せようかと思ってます。
長いことパソコンのふたも開けてない状態ですので機嫌を損ねてないか心配です(^-^;
またよろしくお願いしますm(__)m
投稿: ビタミン店長 | 2010.11.27 16:41
店長さん、おひさです!
返事がおそなってすみません〜〜。
鶴橋のも美味しいんですが、なんせ高めなんですよ。ちうか日本で流通してるレートなんですな。
ところが生野コリアタウンのすごさは、韓国のノリなんですわ。
「これナンデスカ?」と尋ねると、ニコニコしながらアジュンマ(おばちゃん)がひと口では食えんくらいのサイズを「はい、あーん」と試食させてくれるんですな。
その気前のええことええこと。
ぜひ一度オソオイソ(いらっしゃいませ、のプサン弁)。
あ、トマトのキムチ。最高ですよ。キムチというよりサラダ…いや、マリネ…いや、とにかく初体験の美味さです。
次に見つけたら絶対倍買います。
投稿: よろづ屋TOM | 2010.12.06 01:30
ざんぶろんぞさん、お久しぶりです!
やはり発酵食品ならではの魅力ですね。けどウチでは購入直後に200gづつに分けて即、冷凍。
そうでないとすぐに全部“生長”して醸されてしまいますからね。
しかし本格キムチも家ごと店ごとに味もレシピも違うのでチーズ同様、ライトからヘビーまでをひとからげにしては評価できませんわな。
先生トコの電脳コイルネタ、時間ができたらカキコにゆくつもりです。
投稿: よろづ屋TOM | 2010.12.22 02:21