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2010.06.06

需要と供給のカンケイ《本物シードルも飲んだ♪》

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 Twitterが手軽でオモロいんでTwi-Twi、あ、いや、ついつい、そっちにばっかしブツやいておりまして、ハッと気づくとなんと、一週間もなんの記事更新もしてないとゆー非常事態に。

 さて、おたちあい。上に掲げましたるお写真は。
 

 本文の前に、ちょっとスポンサーからのお知らせを。

 えー(;´▽`;)あ、はい。ポリプロピレン製のタンクと、128円と激安でありながら、濃縮還元果汁100%で、しかも合成着色料も保存料も入っていないという、スーパーのプライベートブランド製りんごのジュース。
 これで何をするかと言いますと、いとし恋しい林檎の発泡性ワインである『シードル』をこしらえるのであります。

 以前に小学生の実験レベルでやっとたのがコレ『シードル美味し。しかし、これ、ほんまにシードルか?』ですが、これがアナタ、なかなかにウマいのですよ。

 けど、1リットルペットボトルで作る場合、満杯にするとガス圧やらの関係で困るので、7分目くらいにしとくわけです。砂糖を加えるけど、炭酸ガスとアルコール…つまり気体になってしまうので結果的にはたいして増えませんようで。作るのに半月、飲むのは半時間。
 (;´д`;)ちょっとなー。欲求不満ね。

 で、ちびちびこしらえてたのではラチがあかんようになってしまいまして、そんならいっそ…とホームセンターで買ってきたのが画像左にある3リットル入るポリタンク。

 本体は軽いけどいたって頑丈。二重ぶたがついている上に、キャップがかなりきっちり閉まる。
 とはいえ、シードルは思いっきり炭酸ガスが発生するんで、ふたを閉める事はないんですが。

 発酵と言えば肝心なのは酵母。今まではキウイの皮から増やした酵母やったんですが、ネットで「やっぱり酵母はブドウで作ったのが具合いい」みたいな事を読みましてね。

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 そこで導入しました、その名も『黒レーズン』!

 たしかにこれ、実に美味しい干しブドウで。けど今回は単体で食べるのではなく、酵母のタネとして使うんです。といっても方法は簡単。
 ぬるい水に浸けてるだけで、皮の表面に潜んだ酵母菌が発芽し、どんどん分裂・増殖してゆくんですよ。TVで最初に見たのは、これを使ってこしらえる手作りパンのお店でした。

 いやほんま、大したもんですねえ、自然てぇのは。ヽ(´∀`*)

 3リットルの無添加果汁100%ジュースに上白糖を相当量ぶちこみ、あとはこの“魔法の干しぶどう”を数粒放り込んで23度越える室温で置いておくだけ。

 すると数日で───

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 しゅわしゅわぷちぷち……。
 干しぶどうの皮に潜んでいた酵母菌が生き返って、りんごジュースの糖分を食べてどんどん炭酸ガスとアルコールに分解してゆくのです。

 この泡は炭酸ガス。ひっきりなしに上がってきます。

 この量がまさに“半端”でなくて、ミネラルウォーターのペットボトルみたいに圧力に弱い容れ物では破裂してしまうほど。とはいえ、圧力に耐えられる容れ物に入れたからといって、ここで封印してしまうと、ちゃんと分解しないままにやがて飽和状態になってしまって、反応が中止してしまうんですよ。
 そこで、容れ物はふたを閉めきらず、常にガスが逃げられる程度にしておくんです。

 左上のは混入した虫じゃありません!ふやけた干しブドウです。この時点ではもう取り出しても大丈夫。試しに食べてみましたが、ぶにょぶにょな食感で味も何もありません。
 糖分は完全に酵母のエサになったようです。

 やがて、その反応が沈静化する時が来ます。この時は10日ほど。それまでは耳を傾けるとずっと泡の弾ける美しい音が聴こえていたのが、元気を失うように大人しくなる。
 もしもその時点で味見してみて、砂糖はもちろん、ジュースの甘みより炭酸のピリピリ感が勝っていたら、一次発酵はほとんど終わっていると思って正解です。
 見れば、タンクの底にいっぱい“酒のかす”様のものが堆積している様子が分かるはず。

 そうなると、小瓶に分けて二次発酵の準備をします。

 ちゅーても簡単。炭酸飲料の空きペットボトルに詰め替えるだけのこと。
 ただし、詰め替える時にロウトを使います。

 500mlの小瓶にロウトをつっこみ、そこへ再び上白糖を大さじ2杯。その上からチューブなどを使ってサイホンの原理でタンクから静かに小瓶へ、シードルの原型液を移し替えながら、上白糖を溶かして一緒に封じてしまうのです。
 この時はキャップをシッカリ閉める。
 そしてまた、23度ほどで温度に変化の少ない部屋で並べて保管しておきます。

 二日ほどしてボトルをさわると、ふたたび発酵を始めたために炭酸の圧力でカッチカチに。
 実は前回記事にした折、猫式部さんから「ガラスの瓶なら綺麗だったのに」とのご指摘を受け、それも考えたんです。
 ところが前回作った数本のうち、一本だけキャップの閉め方が足りなかったのか、炭酸分が抜けかけてるのがあったんです。このへんが素人なんですねえ。どうりでボトルを握った時「あれ?なんか柔らかい?」と思った。思ったものの、まだ二次発酵がどんなものか判ってなかったので何もしなかったんです。
 結果、ガスが抜けてしまった。(;´д`;)

 つまり、ペットボトルだとそれが判るので、次からは同じ失敗はしなくてすむ、ちうわけですね。
 アルコール濃度が低い分、炭酸ガスの刺激で誤魔化すわけですから、それが抜けてたらタダのりんごジュースに逆戻りなんですな。

 さて、こうしてできた自家製シードル。はたして、これはシードルと言えるのか、は前回『シードル美味し。しかし、これ、ほんまにシードルか?』と書いたように、ホンマモンを飲んで見んといかんと思い続けて、ついに!

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 成城石井で本物をゲット!『DUCHE' DE LONGUEVILLE(ドゥーシェ・ドゥ・ロンヌブイ?)』というメーカーの、『アントワネット』というリンゴを使ったシードル。
 さて、よぉおおおおく冷やして……

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 ごらんのようにシャンパンと同じ、てるてる坊主型のコルク栓を針金で固定したスタイル。
 ごっつぃ本格的なスタイルですが、消費税込¥1080。
 きっと本国フランスではもっともっと安い、文字通りサイダーみたいな感覚なんでしょうな。あ、そうです。これはフランスはリンゴの産地で知られる、ノルマンディ…そう、“あの”ノルマンディ産。

 さて、お味はといいますと。

 ヽ(´∀`*)ノ 負けてない!

 いや、マジです。ただし、勝てないところが一つ。『香り』でした。
 さすがフランスのリンゴは違います。いえね、私が使ってるリンゴ果汁が『紅玉』なら引けを取らなかったと思いますが、パックで売ってるリンゴジュースの原料のほとんどは『津軽』『ふじ』『ジョナゴールド』など、香りも味も薄いスカスカのものなんですね。

 しかし紅玉のジュースなんて、下手なワインより高い。

 とはいえ、無個性りんごのジュースが原料でも、なんせ安いです。自宅で作って飲む分には充分。
 これからの気温の高い季節ではもっと発酵が進みやすいので、一週間もあれば充分かも。あなたも一度試してみませんか?───ただし、アルコール1%を越えると法に触れるそうなのでご注意を。

←街のショップでは見つからないシードルちゃん、じつは他にもいろいろ!

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コメント

おはようさんです♪

本物と味が変わらないとはすげえ!です。マメなおひとやなあ。ものぐさな私はコウベを垂れるばかりなり。梅酒ならただ洗って、ヘタ(?じゃないな、あのお尻にぽちっと付いてるごみのようなもの)をつまようじでそっと取って、水分をしっかり拭き取るだけで、後は材料を入れるだけなんやけど、シードルとなると、理科の観察みたいにしっかり様子を観てないとあかんみたいやし。

1%以上の自家製アルコールはダメなのに、なぜ25度以上もある梅酒や他の果実酒はOKなんでしょう?

投稿: 猫式部 | 2010.06.11 10:37

猫式部さん、毎度です!
いやー、もともとは日本のどぶろく、メキシコのチチャ、韓国のマッコリみたいなもんで、フランスなどでは自宅で誰もが造るもんらしいです。
実際簡単ですよ。
だから家ごとに自家製のシードルがあって当たり前なんですね。

番もしてませんよ、ほったらかしです。でも飲みたいからこしらえてるから観るじゃないですか。前は味見するためにどんどん減りましてね。
むしろほったらかしの方がいいんですよ。
せいぜい味見した後、吹きこぼれや破裂しないように発酵用のタンクを少し開けておくよう気をつけるくらいです。

ヽ(´皿`*) やってみませんか?←悪魔の誘惑
アルコール、要するに『改造はええけど醸造はダメ』なんですね。ザル法ですけど。

投稿: よろづ屋TOM | 2010.06.12 14:13

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