『けいおん!!』凝りに凝ってるカメラワーク。
『けいおん!!』もぉシーズン2は落ち着いて静か〜に観とこうと思とったんですけど…
あかんわ、ブログ記事にせにゃこのリビドーは押さえられん。これこそ映像芸術!この繊細な演技は銀河一やね (ノ_<。)
なんせもぉ、色々と褒めるところしかない作品です。てなわけで今回は『カメラワーク』という視点で褒めさせてくださいねー。
「え?アニメでカメラワーク?」とおっしゃる御仁もおられるでしょうけど、日本のアニメが世界の追従を許さない実力の一翼を担っているのが、まるで実際にカメラマンがいてあたかも撮影しているかのような演出方法。
とにかく、さりげなく物凄いことやってるのが『けいおん』ですが、今回はどんなふうに“さりげなく”なのか、列挙解説してみようと思います。
録画されてる方はぜひ、もう一度注意してご覧くださいな。
前シリーズもそうですが、『けいおん』、実はあまりアイレベルでの構図が少ないってこと、お気づきでしたか?アイレベル、つまり主人公の目の高さのカメラアングルです。
たとえば、あなたが友達の写真を撮ろうとする。当たり前ですが、ふつうに構えるとカメラはあなたと同じ目の高さでの撮影になるんで、似た背丈の友達は当然、あなたが普段見ているのと同じような見え方になるわけです。
ところが『けいおん』の場合は、意識してこれを外してることが多い。だから逆にアイレベル・アングルの場合は必要だからそうしてるということが判る。
これ、実写ならどーってことないんです。カメラマンがしゃがむなり、台に乗れば簡単に視点は変えられますから。でもアニメはとにかく描かなければ成り立ちませんから、人物や背景はもちろん、動かす場合も移動の仕方からして3D的に考えないといけないんで、おのずから複雑になってしまうのに、あえてそーゆー構図ばっかりで作ってる。
アングル+アクションの凝りまくりようはOPで炸裂してますね。
それにしても最初からこんなに飛ばしてエエのん?いったい作画枚数、どんだけかさむんでしょうかねえ…と貧乏性な私。
構図と言えば、ここぞという時の超広角とグランドレベルのローアングルもある種『けいおん』名物ですね。
前回は海辺の合宿でムギちゃんが地団駄ふんでましたが、今回は唯。なにせ全身で演技するのには毎回感動してしまいます。
次はこれ。
冒頭でも桜並木を俯瞰でとらえた中を唯が駆けて行くシーンから始まりました。『CLANNAD』でもそうでしたが、京都アニメーションの描く桜はほんとうに美しいですね。描いたことのある方ならよぉーくお分かりでしょうが、桜ほど色の難しい花はない。
校歌の流れるこのシーン。しかもこのエピソード、小鳥がつついて落とした桜を拾うことがきっかけで、新しいクラスメートとの会話が始まることを演技だけで見せますね。巧いですねー。
で、ここでは写真で言うところのズーム・フォーカス(フォトショなら“ぼかし・ズーム”ですが)という手法を使っています。よく見ると、唯を中心にして周りがにじんだようにボケてるでしょう?
さりげないけど、やわらかい印象の画面になってますねー。
これはアクションの話になってしまいますが、桜の花をそっとポケットに入れる唯の動作がじつにいい。花を傷つけないようにポケットを拡げながら挟み込むように茎部分を納める繊細な描写が見事。ふだんやんちゃな唯との動と静の対比もうまい。
ついでに言うと、この校歌は『けいおん!!』のために作られたものでしょうが、思わず姿勢を正してしまいそうな名曲でびっくり。どこか、これから開校する学校が採用せんかしら。───もっとも、歌詞はやはりこの学校の為に書かれたものでしょうから、似た環境でないとつかえない…まてよ。もしかして、このモデルになった学校の校歌やったりして???
いずれ番組が進むうちに事実が分かってくるでしょうが、いずれにせよいい歌でした。
フォーカスと言えば、オープニングのこの動画。カメラがぶれぶれの技法は『鋼の錬金術師』の前作がたぶん最初だと思うんですが、これはさらに一歩も二歩も進めてありまして、誰にピントを合わせていいのか、追っかけるカメラのオートフォーカスが合わせきれてない感じが見事に出てます。
このへんはデジタル作画ならではのあとづけ効果なんでしょうが、だからといってこれがマネできるか?と言われたってそうそうできるもんじゃない。
あと、絶妙のトリミング。
絵画や写真をやってる人にもすごく参考になるのがこの『けいおん』。見せたい対象をひきたてるには、どうトリミングしたらいいのか?がそのまま答えとして描かれてます。
新入生歓迎会コンサートの後、律が水を飲むシーン。なかなかこのトリミングってしませんよねー。そしてその直後のカット。ふつうならこっちの絵だけで済むのに、わざわざ2カットに分ける凝りようには頭が下がります。こういうところ、実に映画的なコンテだと思いませんか?
で、今回の最後はこれ。
某しょーもない条例改定案にひっかかるんでしょうかね、これも。
一種のサービスカット?なんかすんげードキドキするんですけど。このあと、ふつうに廊下を歩く梓たちのカットになるんですが、こういうカットでもソックスの色や履き方で個性分けしてるとこも注目です。
ああ、それにしても、またこうした作品が観られるのかと思うと嬉しいやら、有り難いやら。
今回もいろいろと勉強させてもらいます!
演劇や映画、もちろんマンガやアニメの修行されてる方、このアニメは必見、分析は必須ですよ。
うーん、次回もやっぱり、黙ってられへんやろなあ…ヽ(´∀`*)ノ
▼ちなみに前シリーズ、書きに書いたり、ひとつの作品でこんだけ記事書いたのはワタシ的に異例。
で、今回。(;´д`;)……記録、更新ですわ。しかもまだ伸びそうですな。
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コメント
いいですよね
投稿: けいおん!!画像 | 2010.04.21 16:43