『龍馬伝』福山龍馬、良かったなあ…って始まったトコですけど。

ここ何年も大河は期待はずれや尻すぼみが多くて、もお『坂の上の雲』と蒼穹のファふ…いや、『蒼穹の昴』くらいしか楽しみがないかと思ってたんですが、観てみたら、いやなかなか!
───どころか、ラスト近くの香川氏とのカラミで私、嗚咽してました…
(つm`);; アウッアウッ ええわ。福山龍馬、ええわ!
めちゃくちゃに感激してしまったんで、NHK総合での放送が終わった後、22時スタートのBS-2をロクがしながらもう一度観てしまい、さらに毎週録画しようと決めたもんね。
え?そんなことより、全然似てない?( ̄ロ ̄lll) アタシの福山君はこんなんちゃう、て?
(>人<) せやから「許したって」ゆーてますやん。それでも『残響』とかの画像からいろいろ加工したりしてこしらえたイラストですから、デッサン狂いだけはない…ということで。
よろしいやん、福山君のこと、褒める記事なんですから。
閑話休題。
今まではなんといっても、坂本龍馬といえば、やはり『司馬・龍馬』なんですよ。ちょうど、宮本武蔵と言えば『吉川・武蔵』がスタンダードだったように。
私が最も好きで尊敬してる時代小説作家が司馬遼太郎先生。
とにかくもともと博学にもかかわらず、その上になお膨大な資料収集と緻密な実地調査、可能な限り土地の古老に取材をしまくって徹底的なイメージ構築の後に、ようやくペンを走らせるという手法によって、他の追随を許さないほどの“再現性”がかの先生の作品の魅力のひとつだと思うのですが、同時にそれは余程奇をてらったような伝奇的な物語───信長は女だったとか、義経はジンギスカンになったみたいな───ででもない限り、なかなか真っ向切って勝負できる作家はいないでしょう。
もっとも伝奇小説が正統派時代小説と勝負ということ自体、異種格闘技というか、すでに勝負を問題視していない対決と言えるんですけど。
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でも超有名作『竜馬がゆく』は1962年〜67年、昭和37〜42年の作品…てことは、それまでの日本人が小説で知ってる坂本竜馬ってのは、超長編『徳川家康』で知られる山岡荘八先生の作品くらいだったようなので、ぶっちゃけた話、竜馬は一般人にはかなりマイナーな人だったことになります。
まさに『龍馬伝』第一話で記者が岩崎弥太郎にインタビューしていた「坂本竜馬って知ってますか」のノリが普通だった、ということです。
で、小説が大ヒットした後、1968年にNHKで犬のお父さん…いえ、北大路欣也氏が主演した大河ドラマで一気に日本全国に知れ渡ったのでしょうね。(だからSoftbankのCMはいろんな意味でケッサクですな)で、そのまま竜馬のスタンダード…いや、デフォルトになった。
今までもいろんな竜馬を観ましたが、武蔵がたいてい吉川英治版『宮本武蔵』のアレンジだったように、全部、司馬遼太郎版『竜馬』の域を出てないんですよ。
そういう意味であれだけ斬新な始まり方をしたことに私はすごくワクワクしてしまった。
まだ第一話で、少なからず龍馬に興味のある人なら誰もが知っている事件などは夏の終わりの折り返し以降のことでしょうし、今はまだまだいわば “想像の余地がふんだんにある” 部分なのでオリジナリティあふれる解釈が多ければ多いほど、『福山龍馬』の存在感がクローズアップされるところ。
逆に言えば、『龍馬伝』が成功すれば、司馬龍馬によって敷かれたレールを飛びだした、あらたな龍馬像が登場することになるわけです。
そこに期待したいなあ。
もともと私は福山氏が好きです。彼の持つマルチな側面は役者としての厚みにそのまま影響していますし、単なるハンサムマンなどではない魅力溢れる男として今回の起用は、むしろあまりにも風当たりの強い配役として彼にとってマイナスではないか、という意味では今も不安が残ります。
あの甘めのマスクのせいで彼は役者としては、むしろすごく損をしている。
というのもハリウッドでもそうで、昔から美形の俳優さんで演技派をめざすひとはどうしたら汚れ役が廻ってくるかと必死にあがいてこられましたね。
アラン・ドロン、トニー・カーチス、タイロン・パワー…みな、なまじ甘いマスクだったためにかなり苦労されてた。
ましてや日本のドラマで育った俳優さんはどうしても起用する側が既存のイメージでしかキャスティングしない傾向が強いから、綺麗役ばかりになってしまいがちで、本編…映画でも汚れ役をすることがまずないに等しい。
だからそういうワクに囚われたくない俳優さんは、遅かれ早かれテレビを離れて本編を選ぶようになりますね。渡辺謙氏、真田広之氏、若手では本木雅弘氏、オダギリジョー氏しかり。
韓国でもそう。イ・ビョンホン氏、ソン・ガンホ氏、イ・ヨンエ氏などもみな、大成功を収めていながらもテレビドラマのワンパターンでありきたりな表現の限界に愛想を尽かして自分の可能性に賭けた人たちですわね。
みな、その直後から映画ではものすごいとしか言いようのない完璧な汚れ役にチャレンジしまくってますし…また韓国映画の汚れ役は鬼気迫るものが多いのですさまじい。
だからヨゴレ役というのは単にダーティな主人公ではありませんよ。憎まれる…いや、観客、ファンが幻滅するほどのいやらしさやエグ味が必要になるんです。
しかしそれを越えた俳優は無敵です。むしろファン層がぐっと厚くなって惚れ込みようも変わってくる。
そういう意味では、香川照之氏の世代で彼ほど凄みのある俳優はいま少ない。
確実に彼はいま、誰にもマネのできない、これは香川照之でないとダメだ、という役者になってきています。
彼を配した事でがぜん、物語は厚みを増した。いや、むしろ彼がもうひとりの主人公というスタンスですわね。
逆に福山氏は、今回の龍馬という逆風デフォルトの役柄を演じることで、これまでの“ちーにいちゃん”系列の役柄から脱皮できるのではないか、とも期待したい。まさにデッドorアライブな挑戦ではないかと。
ファンだからこそ、私は福山氏に身の毛もよだつような悪人を演じて欲しいと思うのです。
彼は似合いますよ〜〜〜、フィルム・ノワール。かつてのアラン・ドロンのように。
ところでタイトルの特徴ある文字に見覚えがあるので、もしやあの人か?と思ったらやっぱり『紫舟(ししゅう)』さんでした。ほれ、『美の壺』の題字を書かれてる美人の書家さんです。いま、他の美人文化人おふたりと一緒にどっかのクルマのCMに出てはりますな。
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コメント
イラストは似てますよ!
香川照之くんは本当に凄い!と私も思っています。西川美和監督『ゆれる』では、ほんまに後ろ姿の肩あたりで演技してたもんね!
で、後日、その西川監督の原作のそのシーンを読むことがあって、「女みたいな背中だった」という表現を見つけ、実に巧く演じてたのだと改めて感じた次第です。
「龍馬伝」と、はずれちゃった。ワケは、まあ仕様がないのですわ。
投稿: 猫式部 | 2010.01.09 11:56
うはは、べた褒め~~
私は録画こそしないんだけどヘタをしたら6時・8時・10時と3回です。
んで『蒼穹の昴』はチェック落としで見損ねちゃったのですけど、よいですか?
2話からでも間に合うかなぁ~~
投稿: たいむ | 2010.01.09 13:17
*猫式部さん、毎度です!
まあね、万人受けする作品だったらむしろ面白くありませんし。
*たいむさん、毎度です!
え、べたぼめでしたか。あ。ほんまや。(-_-;)
『蒼穹の昴』どーせNHKですから何度でも再放送あると思いますよ。でもまさか字幕とは思わなかった!
投稿: よろづ屋TOM | 2010.01.10 01:30