ウチのお母ちゃん、のこと。
手前味噌ですんません。先日、母が77歳の誕生日を迎えました。
昔ふうに言えば『喜寿』。喜という漢字を草書体で書くと、七十七に見えるからだそうな。
88歳は米寿。米って字をバラすと八十八になるから。でも“べーじゅ”って耳にするたび、色の名前に思えて仕方ない。99歳は白寿。百から一取ると白になるから。昔の日本人って、そういう一種の“とんち”が巧かったんですね。ん?それとも中国渡来のならわし?
でも66歳って聞きませんな。昔ならそれでもかなり長生きだと思うんですけど、60歳の還暦のあとは70歳の古希(こき)になる。
詳しくはここに色々書かれてありましたが、要はキリ番とゾロ目っつーことらしい。
…ま、そんなマクラは\(^_\)こっちへ(/_^)/おいといて。
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厳密には昔の習わしなので、正月を迎えた“数え”でいくと(生まれた年をすでに一歳と数えるので)とうに終わってることになるんでしょうが、12月生まれの彼女の場合はなんぼなんでもそれは気の毒ってもんで。
でも、77年生きてきたってのはやっぱりすごいことですよねぇ。
以前FM COCOLOでDJされてた韓国の男性の番組では、リスナーが「今日、わたし誕生日で」とメッセージを送ってくると「センイリ、チュッカハムニダ!(生日、おめでとうございます)」と定番の祝辞のあと、必ず「よっく、一年生き延びました!」と仰ってたのがすごく印象的で。
そうなんですよ。一年間無事に…かどうかはともかくも、少なくとも生命ながらえてその日をまた迎えられた事ってスゴイ事なんですよね。いくら平和な日本といえども。
まして母は昭和7年の神戸生まれなので、大空襲の体験者でもある。
文字通り“近所”に爆弾、焼夷弾が落ちたし、防空壕に非難している間に自宅が燃え落ちたのも、灘沖での空中戦で(おそらくは日本の防空用)戦闘機が撃墜された光景を傍観したのも一生忘れないという。
その頃の空襲は、B29爆撃機による所構わず式の絨毯爆撃なので、いわば“アタリ”か“ハズレ”かみたいな運命の分かれ方になる。しかも焼夷弾はのちのナパーム弾同様、焼き払うのが目的だから火災で亡くなった人の方が多い。
その時、なんかあったら私はここにいない。
実は母は生まれつき心臓に疾患もあって、無事生まれてからも当時の医者からは「長生きできないし、運動などはもってのほか」とまで言われたのだそう。しかも何度も。
だけどある意味負けず嫌いだった母の母、つまり祖母は、むしろ母に適度な運動を心がけさせるようにした結果、マンガとかではよくあるノリですが、そんじょそこらの男子にも負けない体力系おてんば少女に成長したのだとか。
おてんばが高じて、自転車で走っててトラックにはねられて骨折したこともあったとか。あまり詳しく話さない所をみると、トラックに非があったようでもない。
さては───?
祖母も明治オンナですから、寡黙ながらも芯の強い強い人でした。昔の人なのでなんでも器用にこなしたんですが、一番ぶっとぶのは自分の手の指だったとはいえ、我流で骨折を治してしまったこと。医者に行ってるヒマがないくらい忙しかったのだとか…気丈にも程がある。
もちろん、そんな祖母の遺伝子を受け継いだ母もかなりの負けず嫌いなのは確かですが、知る限り病気で寝込んだりしたのも見たことがない。
まあ、不信感から来る医者嫌いだったってのもありますが、薬も信用してない。
そんな母に抱かれて育ったはずの私は、母の心音が普通でないことを長い間気づきもしなかった。医者に掛かることもなかった…というより、早くに父が他界したあと私を育てるために必死に働いてきた事もあり、病気をするヒマなどなかったというのが真相なんですが、それでも何かの折に診察を受けたりする時があると、医者は大マジで目を丸くするのだそうな。
つまり「こ、この人、よくこれでなんともないな」という含みがあるのでしょう。
私を産んだ時もきっとそんなやりとりが何度もあったに違いないと思うんです。だって、医療経験など皆無な人でも、聴けばすぐに音の特徴に気づくほどですから。
医者の知識や経験で言えば、きっと母のような場合はもっと弱いとか、顔色が良くないとか、マイナスの結論しか出ないのが普通なんでしょうね。
でも、その母は近所の同年配のどのおばちゃんたちよりも高速で移動し、走り回り、背中もしゃんと伸びたマンマ。働きまくってます。
てかね。
( ̄_ ̄lll) 私がいつまでも頼りないから放っとけないってのもあるんですがね。
お母ちゃん、親不孝でごめん。息子がこんなんでわ死ぬに死ねんわなあ。
けど、無茶と無理だけはせんといてくれ。(;´д`;)…と、ここだけで言うとくの。
照れくさいんとちゃいますよ。言うと「してへんがな!」とケンカになるもんで。
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コメント
お誕生日おめでとうございまーす! TOMママ!(笑)

うちの親も、なんだかんだで私よりよっぽど元気。 母は乳ガンで手術受けましたが、そんなん感じさせないほどよく家事や畑こなしてます。
うちも私みたいな娘のせいでいやおう無しに元気なんじゃないかと。そう思うと、親不孝もまた悪くない…?
世の中の話を聞く限り、どんなに立派になろうとも親は子を心配するものであり、どれほど親孝行しようとも「もっとああしてあげれば…」と多少の心残りを抱くのが子の気持ち…なのではないかと。
「何事もなく穏やかに過ごす日々の幸せ」をしっかりじっくり心に刻んで生きたいものでございます。
投稿: SAK | 2009.12.18 20:57
お母様、喜寿だそうで、おめでとうございます♪
あの美味しそうなバースディケーキはオリジナルですかあ?
ほんと、昔の女性は強い、心身ともに。女だからと我慢せねばならないこともいっぱいあったでしょうけれど、どこか凛としている素敵な年輩の女性がいらっしゃいますものね。TOMさんのお母様もそのおひとりですね。
現在言われるところの“草食系男子・肉食系女子”なんて分類がアホラシく思えてくる次元での強さ。見かけでなく、芯の強さを持ってないと、この苛酷な21世紀を乗り切っていけないかもしれませんね。
投稿: 猫式部 | 2009.12.19 16:21
SAKさん、おおきにです!母に成り代わりまして御礼申し上げます。
そうなんですよね…親ってそういうもんなんでしょうね。そして子供ってのもそうなんでしょうね。
何事もなく穏やかに…一番普通っぽいことが、実は一番難しいのかも知れません。
お互い、がんばりましょーね。
猫式部さん、おおきにです!母に成り代わりまして御礼申し上げます。
いやいや、もちろん市販のケーキですよ。
凜としてるかどーかはともかく、たしかに彼女の半生を考えれば考えるほど、とてもかなわんと思いますね。(その割には私、エラソーに暴言吐いては大げんかになってますが)
さてさて、今世紀が終わる頃の人たちは我々軟弱な世代を称してなんと言ってくれますやら。
永久に知ることはありませんが、せめて少しくらいは尊敬される部分をはぐくみたいもんですね。
投稿: よろづ屋TOM | 2009.12.20 05:04