君は『一撃殺虫!! ホイホイさん』を知ってるか。
ほら。こわく、ない。←島本須美さん(ナウシカ)の声で妄想変換してください
どうです、この愛らしさ!しかも名前でお気づきでしょう、彼女のターゲットは『G』を始めとする害虫全般なのです…って、オマヘどこまでGネタでひっぱんねんって言われそうですが。
今回当ブログ開設以来はじめてのYouTube動画が貼り付けてありますので、《つづきをよむ》をクリックした後少々展開が遅いかも知れませんがあしからず。
そう、このどこかうつろな眼、“長門”的に無感動な表情、そしてアラレちゃん風につんととがった脣がキュートな横顔。
彼女こそは『害虫退治専門の超小型アンドロイド』なのです。もちろんフィクション。たいへん残念ながらまだ開発されていないんですよ。
じつはご存じの人からは「何を今さら」と言われても仕方ない2003年に電撃大王に連載されていた、もう6年も前の作品だったんですねえ。
調べてみるとなんと1ページ1話完結式の全一巻にもかかわらずかなりの人気だったようで、プレステ2用のゲームにもなり、当時も彩色済みフィギュアが各種作られたようです。
そして唯一無二の単行本は限定版と通常版の二種があり、限定版には10分間のオリジナルアニメDVDがついていたのだそーな。
いずれもヤフオクでいまや倍以上の“お宝的な”金額がついております。
でも大丈夫。その限定版にのみ同梱された幻のアニメだけは今すぐ合法的に観られるのです。記事トップの絵はそのワンシーン。
あなたも彼女の魅力のマシンガンにブチ抜かれちゃってください。かわいいですよぉおおおおお。
いやあ〜〜。それにしてもこの発想にはやられましたねえ。
なんで思いつかへんかったんやろ〜〜〜って思いますよ。
実はアクションものを考える時、もっとも気を遣うポイントってのは『敵』の定点やスタンスだと思うのです。
勧善懲悪がまかり通った昔ならば、結成理由も目的もスルーして『世界征服を企む悪の秘密結社』で済むわけで、そういう奴らは“悪い奴ら”だからやっつけられて当然だからバンバン殺してもいいという米国正義的理屈。
以前『赤影』の項でも書きましたけど、青影みたいな子供が殺人を犯しても正義のためなら“いいこと”になってお構いなし。
冷静に現実に当てはめたらこんな無茶苦茶はありえない。当たり前ですけど。
だから今では、悪…というより非主人公側と言うべき“敵”陣営には、それが存在するための必然性が必要になる。ある程度無視してもいいんですが、それがないとお話が薄っぺらくなってしまうからツウ好みの客は承知しないし、作ってる側にとっても面白味も醍醐味もないわけでして。
そしてヒーローモノになればなるほど、悪党は憎々しくしないとブチ殺した後に後味が悪いですわね。逆に観客が「こんな奴ぶっ殺して当然」と思える程でないといけない。
しかしアメリカアニメならもっと単純かも知れませんが、日本のアニメの洗礼を受けた人はそんな単純な思考ではなくなってますよね。少なくとも、敵も人間である以上、人生も生活もあるということを知ってしまっています。
『スターシップトルーパーズ』というSF映画がありましたが、原作ではクモ(また出た!)に、映画では虫(カニにしか見えませんでしたが)という敵を殲滅するのが最終目的。でも相手が相手だから罪の意識があまりない。『エイリアン』もそうですね。なんせ害獣ですから。
つまり人間以外が敵だとだいぶ気持ちが楽になるんですが、それでも日本は数十年前すでに「怪獣はなぜただ巨大だというだけで殺されなければならないのか」という疑問を子どもたちにつきつけたスゴイ文化の国です。
これはやはり『一寸の虫にも五分の魂』という仏教的な考え方が根幹にあるのかもしれません。
でもおそらくは例外がほとんど無く、罪の意識なしに殺生する対象があります。
そう、ゴキブリです。これほど無条件に嫌われる虫は他にないのでは?
たとえこれに着目しても、これまでは怪獣にする位しか考えつかない私ら凡人と違って、この作者はとんでもないことに気がついた。
●敵───なんの躊躇もなく殲滅して罪悪感をまったく抱かずに済む
●愛らしいフォルム─── 一種のキャラクター商品だから当然
●ハデハデなアクション───目的が目的、しかも行動原理上これも当然
●笑いの要素───シチュエーション自体が超エグエグなので笑いのネタに事欠かない
右上、左下は武器を使うホイホイさん。つまりたとえ全高115mmでもちゃんとした人型汎用兵器なので武器の換装、カスタマイズが容易なんですね。左上は“着せ替え”ホイホイさんのテレビCMですが、それは同時にコスチュームのカスタマイズによる“楽しみ方”もアリやで、ということ。どうです、この一石∞鳥なアイデア。
右下で orz.. 状態なのはホイホイさんのライバル会社製の対抗商品『コンバットさん』。
こうしてちゃあんとお約束の敵ライバルキャラまでいるわけです。
実際コミックもアニメもめちゃくちゃ楽しい。
アニメの方はそれが当たり前だった数年前のアニメ事情を反映してか、福岡出身の声優さん二人に無理矢理京都弁を喋らせているのだけがどうにも痛々しいんですが、それ以外は演出も動画演技もすばらしい。
舞台もまるで『けいおん!』観てるのかと思うほどリアルな京都の風景(写真は八坂神社から四条通を西に観ているアングル…こんなに車がない状態はあり得ない超繁華街ですけど)がちらほら。
中でもホイホイさん初登場のシーンでは気が抜けて思わず笑ってしまう効果音。
ちょっとオテテはでかいけど、どことなくフランス人形のような等身数にところ構わずの行動力にハッチャメチャな破壊力はかつてのアラレちゃんを彷彿とさせますが、さすが動き方も壊れ方も実に21世紀のコンピュートピア生まれならではのギミック。
そして一種の“虫取り”なので、ホイホイさんもコンバットさんも薬局・薬店に売っているのです。
主人公はその薬店で働く店員さんのおねえちゃんなんですね。
菓子の甘さをひきたてるために適宜の塩を使うように、どんな作品の脚本にも面白くさせるための逆風的要素が加えてありますが、ホイホイさんの場合は彼女が単なる大量生産による商品であるということが挙げられます。
つまりお店には彼女がブリスターパックに入って(数年前にはその状態のフィギュアが売ってたらしい…これも今やヤフオクでとんでもないお値段)たくさんぶら下がってるんですね。
そしてプログラムに従って動くだけ。
つまりどんなに愛らしかろうと可哀想なことになろうと魂も生命もない。壊れたら修理か買い直しというシュールさがつきまとっていて、これがこの作品に何ともいえないBLACKな笑いをもたらしているんです。
ある意味、人の形をしているというだけで彼女らに感情移入してしまう人間たちのアホさ加減を笑っているかのよう…
唯一、現実の場合と照らし合わせて問題があるとしたら家の中での実弾発砲行為における安全性の問題ですが、できることなら手段こそ別のことを考えるにせよこのアイデアを実現して貰いたいものです。ある意味、毒を知らないうちに吸い込んでしまってる最近主流になってる無香性の殺虫剤よりも安全かも?(だから私は香り付きか、蚊取り線香のように眼に見える方がずっと安全だと考えるんですが如何。)
そんな愛らしくシュールなホイホイさん、熱さめやらぬ人気(私は知らんかったが)のお蔭で、2007年から再び『一撃殺虫!!ホイホイさんLEGACY』として『電撃黒「マ)王』で続編の連載が始まっているそう。
そんな中、最初に出たコミックスこそは下の画像、左は今や超入手困難な件の『限定版』表紙、真ん中は通常版。そして!
その流れでついにプラモデルキットとして『一撃殺虫!!ホイホイさんLEGACY』バージョンで新しい商品が出たんです。(上の画像・右)
やはり6年間の成形や素材技術の進歩のお蔭か、写真で観る限りその最新プラモバージョンが最高の出来映え。figmaよろしくいろんなポーズが採れる上に武器もいろいろ持ち替えが可能。
で、私は件の『moeyo.com』の記事で彼女の存在を知り、遅ればせながら今頃彼女にノメリつつある、というわけです。
ホイホイさんのプラモは9月発売予定だそう。もちろんスケール1/1。全高11.5cmですと。
正価¥3,150(税込)と、もちろんお安くはないんですが、ホントのホイホイさんは設定によると20XX年発売で¥29,800(税込)っつー話なので、ガワだけとはいえ随分安く買える…?
あ。真ん中の写真、ターゲットを追いかけてるワケじゃないですよ。瞳の位置をこんな風に変えられますよ、とゆー説明の写真です。けして目線の先にヤツを捉えてるわけではないDeath。
原作では様々なグッズ展開がブームになってて、音声ユニットだの追加武器ユニットだのが同人レベルで売られてて散財しまくるエライ事に…。
某世界的イベントスペースではコミケならぬドルケなんかもあるとゆー。ちなみにアニメでのホイホイさんの声は今期もチョーお忙しな“くぎみー”こと釘宮さんが演じておられます。
■コトブキヤ 『一撃殺虫!!ホイホイさんLEGACY』フィギュア予約ページ→■■■
▼これヤヴァイです。ほんまに動いて対G作戦に活躍しそう。もっと詳しい情報。
《moeyo.com》『一撃殺虫!!ホイホイさんLEGACY』フィギュアプレビュー記事
▼同じく組立て前の姿
《moeyo.com》『一撃殺虫!!ホイホイさんLEGACY』フィギュアプレビュー記事
▼『一撃殺虫!!ホイホイさん』公式ページ
→■■■
この際テレビアニメになってほしいなあ。『ぽてまよ』みたいな感じで。もちろんスポンサーは某大手殺虫剤メーカーで、蚊取りグッズにフィギュアのオマケつけてくれ〜、みたいな?
いや、待てよ?いっそ実写にCG合成で一本映画にしても絶対面白い!!!!!
お店のおねーさんは木村佳乃嬢で決定や!天地人で京都弁うまかったしぃ。上品やしい。
問題はGとの戦闘シーンがグロい事かなー。
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コメント
全然知りませんでしたヨーーーーー!
っつか、記事冒頭を読んだ時点で、ホイホイさんが実在したとしても「駆除」はいいけど「残骸処理して目に触れないうちに処分」までやってくんなきゃヤダ!と思いましたが。。。やはり。。。(泣笑)
あぁ。。。しかし。。。楽しく深いにっぽんヲタ文化ばんじゃい!!(笑)
投稿: SAK | 2009.08.22 00:20
SAKさん、ええでしょー、コレ!!!ヽ(´∀`*)ノ
原作にはさまざまな『後処理』シーンがシルエットで描かれてたりしてそらもー笑える笑える。
しかもライバル?コンバットさんとの激闘や彼女たちの思惑(んなもんないけど)と全く関係ない人間たちの日常を観てるとマジでテレビアニメ化してほしいですねー。
投稿: よろづ屋TOM | 2009.08.22 00:54
うわはははははッッッ!!!!!
凄いッ凄いッ!。
これは兇悪なほどに可愛い!。
(TOMさんの記事ではじめて知りました。)
・・・このフィギュアは、私も「買い」ですな。
アニメも凄い。
私の大好きなテイストでございます。
・・・にしてもピコピコ・シューズを履くシーンで撃沈されます。
投稿: 原口清志 | 2009.08.23 02:39
おおおっ!原口先生がご存じないとは!紹介した甲斐があったってもんです!!
そうなんです、ピコピコサンダル!そこで私、笑いながら椅子からずり落ちましたもん。あれ、音響があるアニメならではの演出ですよねー。
見事な肩スカシにやられてしまいました。
主役のおふたりの声も大好き(とくに中原麻衣さんはかつての同僚の女性に声も顔もそっくりで)なんですが、京都弁がねー。惜しい!
先生もぜひホイホイさんを広めてくださいよ!
そして草の根で盛り上げてテレビアニメ化してもらいましょーよ!もっとグッズ展開も…可能なら実機も…(無理)
あ。マスターさんはホイホイさんをご存じかなー?
投稿: よろづ屋TOM | 2009.08.23 03:40
久々に聞きましたねー
確かPS2でゲームがあったよね
PS2版は声がゆかりんが選べるので結構お気に入りだったよ!
色々コスを変えたり
ムカデが怖かった記憶がww
しかし、OVAははじめてみました。
投稿: セトユーキ | 2009.08.23 14:03
セトユーキさん、毎度です!OVAいいでしょう!?
おー!やはりゲーム版をされてた方が居られましたね!
てか、やはりホイホイさん目線で虫を退治するシューティングゲームだったんですか?
( ̄ロ ̄lll) もしそうなら微妙な売れ線のゲームですなあ…
声のコンバーチブル性に関してはウィキに書いてあったんですが、内容に関してはあまり情報が無くて。
投稿: よろづ屋TOM | 2009.08.23 20:59
事後承諾になりますが、こちらのTOMさんの記事が魅力的なので(勝手に)リンクさせていただきました。
宜しくご了承頂ければ幸です。m(__ __)m
投稿: 原口清志 | 2009.08.24 23:56
(≧∀≦)うあーっ。先生、ありがとうございます!!!
(●_●)「了承。」←茅原実里さん(長門モード)の声でどーじょ
じつわもう今、お邪魔してきました!!
先生のブログ、しっかりRSS登録してるので更新があればガバチョと食いつけるんですよ。
でも興奮しまくったあまり、『コメントが長すぎます。減らさんかい』とアラートされた文字数780。
これならもう一本記事書けるので、そうしますね。
投稿: よろづ屋TOM | 2009.08.25 00:28