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2009.07.14

しのぶモジズリ誰ゆえに…

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 『モジズリ』いわゆる『ネジバナ』です。私はこの娘が大好きです。
 今頃ひょんなところからにゅっと花茎を伸ばしてこの可憐な花を下から順番に咲かせてゆきます。

 ご存じの方はご存じのように、この花はラン科植物。つまりカトレアだのシンビジュームだの、ゴージャスの代名詞みたいなあの花たちの仲間。
 

 だけど百人一首の「みちのくの しのぶもじずり誰ゆえに 乱れそめにし 我ならなくに」に出てくるように、日本古来の野草です。
 下から順番に咲き始め、結構長い間楽しませてくれる命の長い花です。

 ラン科植物はそのタネが特殊なんです。
 ふつう、マメや穀物などを観ればわかるように、植物のタネというものは、発芽のための栄養分───お弁当を担ぎ出して旅に出るわけなんですが、ラン科植物にはそれがないんですね。そう、全くない。

 つまり着の身着のまま、旅先で誰かのお世話になるべえ、という、実に行き当たりばったりかつ実にオットコマエな冒険に出るんですねえ。

 だからラン科植物のタネはホコリみたいに細かい。顕微鏡レベルと行ってもいい。数も尋常じゃありません。当然、どこに落ちても普通の場所ならまったく芽が出ない。栄養というか、燃料というか、お弁当というか、つまり発芽に必要な栄養がまったく有りませんからね。
 そして運良くラン科植物の根元に落ちた時だけ、その根にあるラン菌という特殊な菌類によって作られる栄養によって発芽し、育ってゆくというものすごい生まれ方をするのです。
 もちろんその苗はとんでもなく小さく弱い。

 ところがよくできてまして、ランという植物は遺伝情報がものすごく不安定。
 つまり突然変異が起きやすいようになってまして、発芽条件こそ厳しいものの、天変地異が起ころうがとにかく個性が強い分、無数のタネのウチ誰かはその新しい条件に見合ったヤツがいて、それが次世代を担うんですね。
 熱帯魚のグッピーもそうで、性質が弱い分たくさん子どもを生み、そのうち環境に合った誰かは生き残るだろう、というポリシーを受け継いでゆくのです。

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 ほら。ドアップで観たら、見事に蘭でしょ。

 この娘はすごく濃いショッキングピンク色なんですが、そんなわけで花の色は白からこんな色までいろいろ。
 もしみなさんも道ばたや山でこの娘を見かけたら、とんでもなく運のいい一粒のタネがここまで大きくなったんだなあと感動してやってください。
 

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◆花咲けるジジ道(植物ネタ)」カテゴリの記事

コメント

そんな特殊なタネだったんですか? 知らなかった。。。
母が花大好きで家も庭も花だらけなのに、私はまったく知識も何もあったもんじゃありません。花の名前もあんまり知らない。 

でも去年あたりから観葉植物にハマりそうな気配です。と言っても100円ショップのやつとか(笑) 一鉢ずつ名前つけて愛でております〜

投稿: SAK | 2009.07.14 23:11

SAKさん、毎度!
最初「それなら胞子とちゃうのん」って思いましたが、胞子というのは“性別”がないんだそうです。
つまり種子というのはおしべとめしべがあってできるものですが、胞子はそんなの関係なしにできるのだそう。
で、胞子が芽を出してから初めておしべ・めしべの代わりになる姿になり、やっと本来の姿になるってことらしいです。

だから蘭はホコリみたいでも立派なタネということらしい。

もっとも、蘭の花粉はコナではなく練り物…湿り気があってふたつのカタマリになってるんでそれもまた変わってるんですけどね。

観葉植物もいいですね〜。昔は興味なかったんですが、水草育てるようになってはじめて魅力に気づきました。100円ショップに並んでる種類も栽培技術が格段に進歩したから値下げが可能になったんで、蘭同様に昔はどれもすんげー高級品だった品種が多いんですよ。

投稿: よろづ屋TOM | 2009.07.15 01:19

うわ!すごい!ホントーに、ちゃんと蘭のカタチしてるんですねえーちっちゃいのに(*^_^*)
小ぶりでゴージャス、しかも品が良い。まるでダイヤ…いえ、ルビーみたい(^o^)

投稿: モコねえ | 2009.07.15 05:21

もこねえさん、毎度です!
蘭っていいでしょー。昔ほんとにハマりましてね、えらい散財しました。
バブリーな頃だったんで、けっこうつぎ込みました。
今あのカネがあったらなあ…と思うことしばし、バシバシですよ。
(;´_`;)

投稿: よろづ屋TOM | 2009.07.15 14:03

ひえー 細かいいい
あんまり草木花をじっくりみないので
こういう細やかなことに目をむけることは
大事ですねえ・・・

投稿: 些細ツナ | 2009.07.15 15:58

ツナさん、毎度です!
植物はいろいろ発見があって楽しいですよ〜。

ただ、私の場合はじぃ〜っくり観れば見るほど、
(-_-;)ボロクソに蚊に嚙まれまくりますけどねぇ。
どんな虫も大嫌いですし。難儀なガーデナーです。

投稿: よろづ屋TOM | 2009.07.15 17:10

私もこの和歌と花大好きです。

しかし本来「しのぶもちずり」という染め物に使われていたシノブ草(ノキシノブ、シノブ)の立場からしたら、「私が身を挺して緑に染めてるのに、出来上がった乱れ模様に似てるからってネジバナがモジズリと呼ばれるなんて不公平」と鬱憤溜まってそう。

投稿: lifeonmars | 2009.07.15 18:55

lifeonmarsさん、こうした記事にもコメントくださって嬉しいです。
そうか、偲ぶ(忍ぶ)はノキシノブでしたか!
アレもうちにいっぱいありますわ。セッコクの土台にもなってるし、頑丈なので有難いんですが、染色に使えるとは。
これは勉強になりました。

投稿: よろづ屋TOM | 2009.07.16 00:47

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