あなたは後に何を残せるか。
今日は『恐竜絶滅の謎に新説』と『150万年前の原人足跡から新発見』───この二本の地質学的考古学ニュースから感じたことをクドクドと。
新発見があるのはケッコーなんですが、そのたびに子供の頃に目を輝かせて読み漁った恐竜図鑑の知識がでんぐりがえって“なんちゃって”化してしまうのはなんとも哀しい限り。
10年ほど前に『最新恐竜図鑑』って¥2000くらいの本を買って帰って、やれ嬉しと読み出したら
Σ( ̄ロ ̄lll)「あ、あれっっっっ!?プテラノドン(翼竜)が、イクチオザウルス(魚竜)がおらへんやんか!! これ、ページが抜けた落丁本か!?それともこれが一巻目か!?続刊あったんか!?」
…違うんですよ。昔は恐竜と言えば陸海空揃ってたに、いつのまにか恐竜ってのは陸上をうろついてるヤツだけの呼称になってたんですよ!なにすんねん、学者ども。高うついてしゃあないやんか。
そんな私のささやかな怒りなどどこ吹く風で、恐竜の絶滅の原因説に関してもどんどん変わってゆくんですね…。
今回中国で発表された新説『恐竜絶滅の謎に新説=真菌の大発生が卵を汚染した(2009年2月15日(日)11時6分配信 Record Chinaより)』は、巨大隕石や天変地異による環境激変でウントコ激増した“真菌(しんきん)”によって卵が汚染されたことも原因である、というもの。
この真菌(しんきん)とは何かいな…と調べると、ようするにカビやキノコの類を指すそうな。たしかに産みっぱなしの卵は無防備だし、当時は熱帯のジャングルみたいな温度湿度の高い環境だったらしいから、キノコやカビもわっさわっさ生え易いに違いないでしょうし。
タマゴというのはイースターでも用いられるように、生命や復活の象徴なわけですが、逆に言えば孵らなかった卵こそは死の象徴に思えてなりません。
私は鳥類は恐竜の子孫である…みたいな説を信じているのですが、化石になった卵の種族はそこで絶えてしまっているわけです。
地球での生命創世から枝分かれしつつ続いたはずの一本の線がそこでぷっつりと消えた証が、化石になってしまった孵らぬ卵。
私ね、幼いときに父をはじめ父方の祖父母を亡くしてましてね、彼らの記憶以外何も残ってないんですよね。つまり自分が存在することが彼らの生きた何よりの証拠なんですが、物心ついたときにはいなかったから言うなれば自分の祖先たちと同じく“書類上の存在”でしかない。
母も夫婦だったとはいえ、わずか4年と少ししか一緒でなかったし、時代が時代なので互いのことを密接に知った上で結婚してるわけでなかったので父の事を詳細に知っているわけでもなく、また戦争のドサクサを挟んでいるので父の幼いときはもちろん、結婚前の写真などもわずかしかないのですよ。
そのせいか子供の時からヘンに祖先や子孫、つまり“直系の血筋”を意識したり、自分が存在した証をどこかに残したいという欲求がすごくあるんですよね。
いっぽう、ケニアで発見された化石『150万年前の原人足跡=歩き方、既に現代人並み-(2009年2月27日(金)4時39分配信 時事通信より)』。
なにげに通った泥道に残された足跡がそのまま150万年もの刻を経て現代に発見されること自体が驚異ですが、骨とかミイラみたいな遺物よりも、釣り針や土器やこうした“生活痕”が見つかったというニュースを聴く度に先の“何が残せるのか”ということに考えが及びます。
この足跡を残した人たちはどんな人だったんだろう。ちゃんと食べれていたのか。幾つくらいの人だったのか。男か、女か。そこを歩いたとき何を考えてたんだろう。
楽しかっただろうか。苦しかっただろうか。
推し量ることしかできないけど、たしかに彼らはそこにいたし、そのあと彼らに何が起こったにせよ、その時までは生きて暮らして何かを成していたわけです。
私がしてること、したことは残るのだろうか。150万年とは言わないけど、百年後とかに自分の持ち物だけでも残っていって、それをいつか見つけてくれた誰かが、こんな私に何か思いを馳せてくれることもあるんだろうか。
すべては土と元素に還ってしまうのだけど、それでも生きた証が残せたら。
『還る』も『孵る』もおなじ───“かえる”───なのだから。
オススメB.G.M. ♪『やつらの足音のバラード』by ちの はじめ
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コメント
昔の恐竜図鑑と今の恐竜図鑑は全然違いますね。
ブロントザウルスなんて存在しない生物だったそうだし、よく描いてあった、海で首長竜とワニみたいななんとか竜がガオーと闘ってる絵も嘘だったらしいし(首長竜となんとかザウルスは同時期には生存していなかった)
ティラノザウルスが子育てをして家族で生活していたことがわかってきたらしいし。。。。
常識と思っていたことが覆される昨今です。
去年亡くなった私の父は、小説家になるのが夢だったんです。
そして漫画も好きで、8コマ漫画と小説を載せた自費出版の本も作ったことがあるんです。
死ぬまで小説を書き続けていた人で、父のパソコンには小説が何篇か遺されていました。
父の作品のサイトでも作ってみようかな?なんて思っています。
TOMさんの作品はずっと残りますよ。
私も何か残したいなぁ
投稿: ビタミン店長 | 2009.03.01 23:26
たぶん初めて連れてってもらった怪獣特撮?『恐竜100万年』って映画は今でも焼き付いてます。
それこそ原始人と恐竜の対決はありえん、ちゅーことですけどね。
でもそれもとりあえず『現時点では』です。いつか新しい発見があって、恐竜人類がいて、とっくに宇宙へ出ていった…なんてことが判ったりして。
そうですか、お父様も…。そうした作品の中にとんでもない傑作名作が埋もれている可能性って絶対捨てきれませんよね。
『赤毛のアン』ももしモンゴメリーが屋根裏で読み返さずに諦めてたらトランクのゴミだったんですから。
私もいまこのノー味噌に入ってるネタだけは全部残したいです。未完成のまま、たんとあるのよ〜〜〜。
投稿: よろづ屋TOM | 2009.03.02 00:33