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2008.08.09

やっぱりチャン・イーモウは見事だった

M7074347
(画像はgooニュースから拝借)

 毎回ホントに感心するけど、やっぱりオリンピックやワールドカップなどの開会式ってものすごい。
 奇想天外なアイデアを次から次へとひねり出すだけでもモノスゴイのに、その数々のアイデアを実際にちょっとした軍隊よりもはるかな数の人々を指揮して現実にし、数千人単位、観客も含めて万人単位で動きや反応を計算した上で演出を考え、結果的に会場の数万人の観客のみならず、テレビカメラを通して世界中の観客を魅了してしまうんですから。
  
  

Olympics08_opening
(画像は8月8日限定のGoogleTop絵。1日だけなんてもったいない!)

 それに、一時期スピルバーグが演出するとかって聞いた時に「ゑー、なんで北京オリンピックやのに!?」って思ってただけに、チャン・イーモウが担当することになったと聞いた時に「そらそーやろー、これで安心やなー」と納得しましたもの。
 だってねえ、国力と文化度の誇示という政治的なニオイはこの際おいといたとしても、やはり開催国を代表する芸術家が自国の文化を土台にした上で創り出す最高の演出こそが、外国から来た観客に対する礼儀であり、開催した国ならではの味わいというものです。

 でもって、やはりさすがでしたねー。チャン・イーモウ、あの演出。ほんとに壮大で美しい。悠久の歴史と人類文化発祥の一端を担う中国にふさわしい開会式でした。
 紙の発明、活字の発明をベースにした壮大な演出。さすがに中国三大発明の最後、“火薬”は触れませんでしたがそのかわり羅針盤が出てきた。
 もしかしたらチャン・イーモウのこと、火薬による革命的な文化面のメリットと、反する戦争の悲劇という両面のコントラストを見せる…そういうアイデアもあったはずだけど、上から圧力がかかったか、自粛したか…と深読みしてしまう私。

 映画『英雄』の時もそうでしたが、ひろびろとした空間をめいっぱい活かして、しかも無駄な部分はないに等しい。あくまで優雅な、しかし意外なまでにダイナミックな、そして同時に繊細な動きの数々。
 作品全体にただよう舞うが如く流れるが如き動き、しかしキレのあるそれは開会式セレモニーのはじめにも登場した、太極拳などの中国武術そのもの。

 最新の電子技術を駆使してはいても、人という存在なしでは絶対にあり得ない、そして森羅万象のハーモニーを感じさせずにはいられない、壮大なリズム。
 映画全編、まるで一篇の詩歌でも見聞きしているかのような美しさでしたから。

 でも大勢の人を使って、巨額の予算をつぎ込んでつくるところは同じでも、映画の場合は短いシーンのいいとこ取りで成り立っているわけですから、ある程度失敗してもやり直しが効くわけです。
 納得がゆくまで撮り直し、矛盾を感じたらまるごとひっくり返して組み立て治してもいい。
 でも舞台は一発勝負。間違えたから、気に入らないからといってやり直しはできない。それでも次の公演があるから、次回からは…という、改善の余地は残されています。

 しかし開会式はほんとうに本番は一度だけ。リハーサルはあるけど、リハーサルは所詮リハーサル、本番で上手くいかなかったらどうしようもない。
 そのプレッシャーってどんなもんだろうかと考えるだけでも消化器に穴がいくつも空きそうです。

 軍隊数個分に匹敵するキャパシティを呑み込んでしまってもなお、人智を越えたかのような奇跡の建造物である巨大なスタジアムでの演舞。
 それは舞台芸術で考えうる、最高難度の仕事以外のなにものでもないでしょう。

 よくぞ、ほんとうによくぞあんな演出ができる、そしてできたものです。

 そんな北朝鮮のマスゲームを連想させる膨大な人数でのスーパースケールの演技ですが、ちょっと楽しいなと思ったのが、それでも何人かは動きがズレたり、まっすぐ並んでいるべき所をちょっと外れていたりなど、いかにも中国的な“ユルさ”が見え隠れしたところ。
 北朝鮮だったら腕の曲げ方の角度はモチロンのこと、指先の動きや表情までがおんなじ様に笑う時は笑い、厳しい時はみーんな同じ表情でむしろ非人間的で不気味なんですよね。(いや、ヘタにしくじったら一族郎党に咎めがあるのかなあ、とか、これまた深読みしてしまうし。)
 いっぽう、大中国人民はアップになるとこそっと汗をぬぐってたり、ある人はどっかでしくじったのか照れ笑いになってたり、大汗かいてる人も居れば涼しい顔の人も居て…と実に人間的で、それがすごくホッとしたんですよね。

 まあ、ずらっと並んだコンパニオンさんや演舞のひとたちのヘアスタイルや髪の長さが見事に統一されているのは演出上当然ですしね。
 これもある日を境に決めて、伸ばしておいて実行委員会の号令一下、一斉に散髪なりカットなりをさせた結果でしょうね。どんなだったんだろーか。“その日”の北京の床屋さん、美容室の混雑具合。

 ところで今、ふたたび東京オリンピック招致で息巻いていますが、さて実際にやることになったとき、今の日本にそんなものすごい舞台演出ができる演出家って誰がいるでしょうね。
 蜷川幸雄?宮本亜門?それとも私の知らない誰かエラい先生?
 音楽は?世界に冠たる坂本龍一?それとも再結成したYMO?

 ───こういうの、『捕らぬ狸の皮算用』ってゆーんでしょうけどね。ノ(´∀`*)

  

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コメント

開会式見てなかった。
TOMさんの深読みが・・・すごく面白い。

投稿: さくら | 2008.08.11 11:23

(;´д`;)やはり深読みdeathか…
開会式はオリンピックとかの華でしょう。まあ、閉会式も見物なはず。今度は見逃さないでね。

投稿: よろづ屋TOM | 2008.08.13 03:20

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