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2008.06.07

『風の谷のナウシカ』よる年並みのせいか泣きっぱなし。(つД`);;

Nausica はじめてナウシカを観たのは、もちろんあの宮崎 駿がアニメを作らなくなってしばらくの間不本意ながらも漫画家になってアニメージュで連載し、その人気が沸騰する中その半ばでアニメ化を聞かされて「ついに宮崎 駿復活か!」と息巻いた1984年。
 劇場であの久石譲の音楽に乗せられた、“世界を滅ぼした戦争”のタペストリーのオープニングですでに嗚咽するほど涙した私。もちろん、まわりの観客はこれから語られる物語に興味津々で、よもやオープニングで涙ぐむ青年(当時は私も23歳)にさぞやいぶかしんだことでしょう。

  

 でも今回はどうなってるんでしょう。私、泣きっぱなしだったんですよ。まるで『探偵!ナイトスクープ』の西田局長のよう。

 今回は仕事が忙しくてオープニングには間に合わなかったんですが、トルメキアに拉致されようとするシーンから観たにもかかわらず、ナウシカが地下の菌類栽培場でのシーンも、腐海の底で真実に触れるシーンも、滅んだペジテにたたずむシーンも、ナウシカを助けようとするアステルの母との抱擁のシーンも、画面が見えないくらい泣いてたんですよ。
 (T〜T) もうそうなるとヘンでしょう。でもなんか泣けて泣けて止まらない。

 (つД`);; もう、オババ状態です。おお、おおおおおおおおおお!なんといういたわりの心ぢゃ…
 ………あかん。書いていても思い出して泣けてくる。

 人間、歳取ると色々経験したことから涙もろくなるって言いますが、23歳で初めて観たナウシカ、それから絶対10回以上は観ているナウシカ。
 でも今回「あれっ?こんなシーンあったかしら」なんて思うカットも結構あって、よく考えたらテレビでの放送ばかり観ていて、ちゃんと画面の前でノーカット・ノーブレイクで観たことがなかったことに気づきました。

 1秒24コマのフィルム、手描きで海外外注のなかったこの時代、多い場合で「あっ」という間に12枚の絵が流れ去るアニメの性質上、ちょっとよそ見しているだけでアニメーターが生命を削って描いた貴重な絵を観ることなく終わってしまうんですから、一瞬たりともアダやおろそかにできません。

 つくづく思うのは、やはり宮崎 駿の天才性。
 なんでこんなに複雑な話を二時間でまとめてしまった上に、さらにキャラクターたちの過去さえもプロファイリングできてしまうほどの魅力を込められるんでしょう。
 思うに、彼らが俳優で言うところの名演技を見せてくれているからだと思うのです。

 台詞で、物言わぬわずかな動きで。当時宮さんが書いた設定書や指示書を見れば、宮さんがアニメーター達に「この人はこういう生まれで、こういう育ち方をして、今こうして暮らしているからこうなんだ」と事細かく指示されていることに驚きます。それはキャラだけに限らず、メカに関しても一種の取扱説明書のようになっているのがまた楽しい。
 あとからそれを見れば「ああ〜!なるほど、だからそうなるのか」と納得できるんですが、画面だけを見ていても、たった数枚の絵に凝縮されて表現されている。
 指の動きひとつをとっても、年寄りは年寄りの動き、若者は若者の動き。そして男女差。

 これをアニメの演技賞ものといわずしてなんと呼ぶのか。

 そして二時間ほどに集約された、生命への敬意と、戦争という形を取って否応なく人間同士のいがみ合いや、人間や他の生命を越えた殺生の意味を考えさせてくれるバランス感覚。単純に非暴力を訴え、反戦を唱えるだけでは戦も殺生もなくなりはしないし、現実問題として生命は生命を食らって生きているし、他の生命を圧迫しないと生きられない。
 現に、ナウシカも人を殺している。そしてそのことに一切言い訳めいた描き方をされず、生きることは綺麗事ではないんだ、と無言で語る一方、つねに自分の生命を賭けて他者の生命のために行動することの意義を全編で見せてくれる。

 まさに人間やほ乳類の対極にある生命形態である、虫、菌類との対立と共存を軸に描かれているのもそのためですね。
 その後はアカデミー賞候補やら金熊賞受賞などで世界的に知られた宮さんですが、たとえこの作品が賞に輝かなくとも、こうして何度も何度も時を経てテレビで放映されることこそ、ナウシカの本来のテーマを今の世代、次の世代に植え付け、語り継がせ、また成長した子供らが繰り返し観ることで考えを新たにしてゆくことこそがこの映画『風の谷のナウシカ』が名作であり、その使命だと思えます。

 世界のあらゆる国の人が『ナウシカ』に共感し、人類が武器を棄てるその日まで、そして暴力のために武器を採らない平和な空をメーヴェが翔ぶその日まで。
   


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