地デジは大失策。電波系テレビ放送終焉への序曲。
ずいぶん以前、血デジ…いや、『地デジ』計画が当時NHKのトップだったジジイに発表された頃、社会的ボヤキ専門の拙作ブログ『小文句たれぶ〜』でギャアギャア書き連ねたことがいよいよ現実になりつつあるようです。(最近は書いてません。そのブログの母体があまりにスパムに弱く、サイトカスタマイズ不能のため。いずれはココログに引っ越ししようかとも思うのですがエネルギーがなくて…)
何を書いたかといいますと、2011年になったら市街地の路上や空き地、田舎の山々や田畑には不法投棄されたアナログ系AV機器が累々と積み上げられ続ける事件が頻発するに違いない…みたいなこと。
当時はそうした粗大ゴミのことしか思い浮かばなかったんですが、そこから数年を経て時代が音を立てて変わってきたことが今、地デジ計画を考え出した連中の首を自らジワジワと絞めて行こうとしているんですねえ。
それは、いつ生まれたのか誰も知らない。(妖怪人間ベム冒頭ナレーション)
インターネットで簡単な動画がやりとりされるようになった頃が、おそらくは恐竜時代におけるネズミのような原始ほ乳類の発生のようなものだったんでしょうか。
最初はモザイク処理のようなブロックノイズだらけの数十秒、数分の映像だったのが、日進月歩…いや、日飛月走の電子工学のこと、初めは少しずつ、やがて数年で飛躍的に画質は向上し、データの圧縮技術と保存のための装置の小型超大容量低価格化の結果、いまや数時間の映像データがリアルタイムでストレスをほとんど感じることなくインターネット経由でサーバーから自宅のPCへダウンロードが可能になりました。
同時に進んだのがハイビジョンなどに伴う、アナログからデジタルへ、ビデオからDVDへ、という映像の高画質高品質化。
ここで放送業界はまず自ら生み出した技術に危機感を覚えたんですね。
( ̄ロ ̄lll)「しもた…こんなに画質が良かったんではコピーもダビングもし放題やんけ」
さらに声には出さなくても、〈テレビから録画したモンでも、アキバとかポンバシあたりで売ろうと思たら売れるやん〉って思ったんでしょうね。(実際はそんなこと心配するはるか以前からそーゆー商売する人はイパーイいたはずですが)
そこでジジイたち、狭い視野と堅い頭で考えついたのが『デジタル放送プロジェクト』。
(。-`▽´-)「要するに録画でけんよーにしてもたったらエエねんやんけ。あとはワシらがクニに働きかけてまるごと牛耳るから映像ソフトの流失も不法コピーも防げるやろ」
先の読めない無知な政治屋まで抱き込んで裏で表で画策した結果、データも信号もすべてデジタル化すれば番組ひとつひとつに『首輪と鎖』をつけられると思った。ところがここで視野の狭さと思考の堅さが災いした。
ネットによる動画の配信という発想についてゆけなかったし、もともとネットの実力を舐めてかかっている在来放送局には、ネットの超進化速度とデジタルツール一般普及率の急上昇を読み切れてなかったんですねえ。
家族団らんでひとつの番組をかこむ時代は数十年前に去り、いまやテレビ自体が個人的な映像再生ツールとなってしまっていることすら気づかずに必死で『双方向放送』だの『視聴者お茶の間参加型番組』だの、前世紀のままの思考法で押し切ろうとしたんですが、いざそうした番組をやってみてあまりの反応の薄さに愕然としたことでしょう。(いまそんな一般番組ないでしょう?まだやってたとしたらいよいよオシマイかも)
いまレンタル業界の新しめは月額契約で自宅にいながらネットで観たい作品を注文、返す期日を限定せず、返却もポストへ投函する郵送方式。
次のスタイルも試験的に始まっていて、ディスクレスで注文すらナシでいきなりダウンロード。視聴回数だけが決められているというもの。
いまもネット配信型のアニメだのドラマだのはあるんですが、一回いくらとか、映像のグレードに問題があるとか、Macは使えないとかイマイチ制約が多くて本気になれないんですね。
しかし現行の民放テレビがCMを流すことで莫大な収入を得られているのなら、同じ原理でネット配信の動画にもCMを挟めば収入を得られることになります。もちろん現在の地震速報みたいに画面内に流したのではブーイング必至ですが、画面外の黒枠内ならなんとでもなる。
そんなの紙とかで隠されたら元も子もない…という短絡的な偉いさんもいるでしょうが、今のテレビでも録画したあとCMを跳ばして本編だけ観る人は多いし、流していれば視聴者が観ていると考えるのはナンセンス。
要は考え方と割り切り方だけの問題。
むしろ私は永久保存状態の映像ソフトと一緒に残る宣伝の方がすごい事だと思うんですけどね。ま、そうなるから広告費の査定ができない、なんてケチな発想なのかも知れませんが、それも今まではフツーにビデオに録画してますから同じ事。
日本がそんなドンクサイことを延々とやってる間に2006年秋にGoogleが動画配信サイト最大手のYouTubeを買収、さらに天文学的な量で映像ソフトを持ってるワーナーとも手をつないじゃったんですねえ。
このことでいわば裏サイト的だった動画サイトが公にその存在を認められた上に、段階的にせよ映画ソフトも音楽ビデオもインターネットを通じて世界へ自在に配信することへの道筋がついたことになります。
この時点で島国内で映像ソフトのコピー禁止だのデジタル化だの、規則規則、規制規制でキュウキュウとしていること自体が一瞬にして時代遅れで無駄なあがきになってしまったのです。
んで昨年5月、AppleがYouTubeを観る専用のテレビを売り出しました。これ、どーゆーことか実感のない人も多いんですが、日本でも『ネットテレビ』として、アンテナと受信チューナーの代わりにインターネット受信回路のついたテレビが売られているように、最初からもう電波無用というコンセプトなんですね。
有線放送も似たようなものですが、有線放送の内容の大半は電波系放送局のリレーです。観るときはチャンネル、つまり放送局単位で切り替えて観る縦割り選択に対して、ネットテレビは自分で選んだ番組単位で観るスポット選択。レンタルビデオ感覚なんですね。
今年になって角川がこのYouTubeを活用して、自社制作系のアニメをどんどん配信すると発表しました。さらに最初から映像をいじられたりすることは許容範囲と割り切って、逆にそうした『改造ネタ』の中から新たな才能を発掘できるのではないかとコンテストまで定例化するのだそうです。賢明ですね〜〜。
『初音ミク』がヒットしている理由を理解していたら当然の流れでしょうね。
「ダメダメ」言うより「ほんならやってみぃ」という“伸ばす”。逆らうより受け流し相手のチカラを利用して背負い投げ…みたいな?(文科省、爪の垢でも煎じて飲みなはれ)
そんな土壌が固まってきたところへやってくる、国家レベルでアナログAV機器がまるごと使えなくなる(使えなくする)というおバカなおバカな大転換。
いままで何十年フツーにテレビを観てきて、やっとビデオでの録画も覚えた人もいるのに、今度はいきなりこの皿は使える、この皿は使えない、あ〜ややこしや、ややこしや。さらに今までは台風が来てもノイズ有りでも観られたテレビも、デジタルになったら悪天候の時は何も映らない。
都合で『水戸黄門』が観られないおじーちゃんの代わりに録画してあげたいけど、おじーちゃん、それを観るのも一苦労。オトモダチにも見せてあげたいけど、コピーもできないし、大事な保存用だから貸すこともできない…なんて話がザラになる。ヒドイ話です。
挙げ句の果てに長い間使い慣れたテレビやビデオはみんなある日突然粗大ゴミになって、買い換えできない年金暮らしの人や、「そんなにメンドーならテレビなんか無くてもかまへんわ」となる人も(実際私のまわりに数人います)出てきます。ラジオがまた売れるようになるかも。
放送協会の偉いさん、それでも、そんな目に遭っても日本のみんなはヒィヒィ言いながらでもテレビを見続けると信じてるんですね。それが当たり前だと思ってる。
電通もなにやら暗躍していて、ネット配信のための著作権管理用コードなる暗号だかコピーガードだかの技術も国際標準として認められたらしいですが、これはむしろ時代の流れに逆らったやりかたでしょう。
Appleのi-Tuneとi-Podが爆発的にヒットし続けている理由を考えれば自明の理。規制しすぎて流通を妨げるより、薄利多売で売りまくった方がはるかに儲かると考えたワケですね。
何をドーしてもコピーする人はするんです。そんなの録音機が発明された大昔からみんなやってた。でも買うときは買ったし、貸し借りもしていた。みんなで芸術を分け合ったんです。
もちろん私もクリエイターの端くれですから著作権は大切だと思います。(無断借用され悔しい思いもした経験もありますから)ですが著作権フリーの画像集同様、盗むより買った方が早いし気が楽だと思える販売システム作りこそ大切なのです。それが商売の智恵、アタマの良いやり方というものです。
だいたい、1曲150円で音楽がバラ買いできる時代なんて誰が想像しました?ジャケットはなくても、曲そのものが手に入って聴けるならシングル1,000円より四曲入り600円で構わないでしょう。ましてA面曲だけなら文字通り150円です。友人に頼み込んでテープ自前でダビングしていた頃より安くて済む。音質も劣化しません。
映画映像ソフトもそうなるべきなんです。いや、そうなる流れは必然です。
栄枯盛衰は時代の必然か。やがて近い将来電波系テレビは衰退してゆく───恐竜がゆるやかに滅亡したように、自らそう進化したことが原因で。
♪Video Killed The Radio Star、Video Killed The Radio Star………♪
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