さらば我が愛機、PENTAX Z-1
高校に入って祖母に初めて買ってもらった一眼レフカメラが長崎旅行のまっただ中に壊れたのは17年も前。
かの有名な眼鏡橋を撮っているときに、なにをどうしても絞りが絞れずに、すべての写真がまるで炎天下の目眩のような写りになって…
修理に出してみたものの、「もう部品がないんですよ」と、愛機の臨終を告げられたんです。
そしてその初代、『PENTAX K2』のあとを受けて手に入れたのがこの『PENTAX Z-1』だったのですが───
最近、たてつづけにウチの機械たちが壊れてゆきまして。
ついこのまえ、10月の最終週に12年間がんばってくれた冷蔵庫がダメになって、いろいろ紆余曲折の末にやっと新しい冷蔵庫を入手に成功したばかり。
今年の初夏には、これは予定していたこととはいえ、これも10年近く使ってきたエアコンを最新の消費電力の少ないものに換えて。
昨年は洗濯機がオジャンになって。でも、だいたい皆10年以上使ってきたものばかり。買ったのもやはり皆似たような時期ですから、むしろ、よくぞ保ってくれたものだと思います。
でもこのカメラが壊れるとは、正直思っていなかったんです。
4年前に一度オーバーホールしてるんですが、その時はウッカリして地面に落としたための故障だったんで諦めることも念頭にありました。
が、案に反して、それまで弛みの来ていた部分などまでシッカリと若返って戻ってきたので、それまでより一層、大切に使ってきました。
私の『京都おちこちぶらぶらよそ見旅』の写真は、みなこのZ-1によるものです。
それが先日の11月3日、さあ撮影を始めるぞ…とその日最初のシャッターを切った後のこと。
真っ暗なままになったんです。ファインダーが。
調べてみると、一眼レフの生命であるミラーが上がったまんまになってました。結局、中にある小型のパワーモーターがダメになっているとのことだったのですが、単三電池程度の大きさのモーターひとつが既に生産を終えていたために、たかがモーターひとつのために我が愛機、Z-1は二度と光を捉えることができなくなってしまったんです。
すぐに親の代からつきあいのある近所のカメラやさんを通じてメーカーへ修理に出しました。
が、二週間で帰ってくるはずなのに一週間経たずに連絡があって。
「すみません、修理できないそうなんですよ。部品が…」
「ゑっっっ。う、うそっっっっ。部品、もう作ってないんですか。まだそんなに古くは…」でもよくよく調べてみると、このカメラを買ったのは1991年。なんと、もう既に16年も経っていたんです。
ふつう、機械の部品ストックは生産終了から7年間なので、と〜〜〜〜っくに無くなっていても不思議ではなかったんですね。
でも皮肉な話です。クラシックカメラとしてはもっともっと古い時代のものも現役で使えるカメラとして売ってるんですよね。
それまで使っていた『PENTAX K2』も当時PENTAXの最高級機種で、それまでは露出を計るメーターも抵抗を利用した単純な電気回路だったのが、このK2から初めていわゆる集積回路による一種のコンピューターを備えたんですね。そして当時はシャッター自体が樹脂を塗った布だったものが、今では当たり前になった数枚の薄い金属による電子制御のシャッターになったんです。
ところが結局、その中枢神経回路が壊れてしまったんですね。
そしてこの『Z-1』はPENTAXが本格的なオートフォーカス、フィルム全自動巻き上げにした最初の最高機種。発売当時、小型カメラはそれが当たり前になってきてたにもかかわらず、一眼レフはやはりプロ仕様ということで、ピント合わせは相変わらずマニュアル色が濃厚だったのです。
事実、オートフォーカスは恥ずかしくて使うプロなんていませんでしたから。
フィルムの巻き上げだって、それまでのは別に買ったユニットをくっつけてはじめてできたし、それもモデル撮影やスポーツの動態撮影を主とするような人しか使いませんでした。あ、あと“鉄子”さんたちね。
───で、やはり今回壊れたのはそれらを司るモーターの寿命。ほんとに皮肉です。
いいマシンでした。使いやすく、しっくりと私の手に馴染んで。
お疲れ様でした。今日からはもう一緒に出かけることはないけど、いつまでも棚の中に大切に飾っておくからね。
さらば、我が愛機。PENTAX Z-1。16年間、いい写真をおおきに。
(;´_`;)ああ…もうすぐ紅葉まっただなかになるのに…どないしょう。
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コメント
なんや、、、TBできひんやん、、、
あたしのSF7、見つけ出したのは良いケド、
未だに使っていません、、、
http://nekohimeja.livedoor.biz/archives/50967405.html
投稿: 猫姫少佐現品限り | 2007.12.10 00:19
あ〜〜。トラバの件はすみません。だってウチ、イタズラトラバしか来ないんですもん。
まあ、こんなネタばかりではしゃあないわね〜〜〜〜。
でもねえ、もし部品があるなら、そして2〜3万くらいで直るなら絶対復活させるんですけどねえ。
訊けば東京にはそうした専門店って多いらしいですが。
まあこれも縁のもの。いつかはまた…。それまで彼の遺体…いや機体は大切に保管しておきます。
投稿: よろづ屋TOM | 2007.12.10 02:07
TOMさん宅の電化製品の軌跡が読めて興味深い。
冷蔵庫は何台あるんですか?
って・・・。
つっ込むところはそこかいっ!
マニアックな人はモノを大切にする!
あたしの印象です。
投稿: さくら | 2008.07.29 20:32
さくらさん、毎度♪
ゑ、冷蔵庫ですか?実際に使ってるのは一台ですよ。
電源入れたら使えるのが一台ありますが…それはいずれまた『棚からひとつかみ』でご紹介します。
さてさて?冷蔵庫から何をツカミ出すのか?お楽しみに。
投稿: よろづ屋TOM | 2008.07.30 00:02
楽しみにしてるよん♪
投稿: さくら | 2008.07.31 13:59