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2007.05.09

クチコミ情報が真実とは限らないでしょ。

 昨日は早く帰れて、まずはメシの前に風呂に入るべえ…と、ふと点いていたテレビを覗くと、ちょうどNHKで『クローズアップ現代』ってのをやってたんですな。
 で、ネタが『“カリスマ”続々登場!ブログ新時代』ってんで、一応はこーゆーのに携わってる身としては気になるっちゃ、気になるわけです。

 そこで紹介されてたのは『アルファブロガー』って呼ばれてる人たちで、そんな単語は勉強不足な私は初耳だったんですが、要するにアクセス数が月に数万件あるブロガーなんですと。
 で、ブログにくっつけた広告だけで飯が食えるんで、NHKいわく、一流銀行勤めを辞めてまでブロガーやってる人とかの紹介してたんです。

 まあ、そーゆーことはともかく、番組内で取材されたネタでちょっとひっかかったのがあったんですよ。
 皆さんも懸賞で景品もらったり、好奇心優先で必要もないのに新製品を買ったり、中には商品のモニターをされてる方もおられると思いますが、新しいものや気に入ったもの、反対にムカついたものや納得できないもの…なんてのに当たると、ブロガー魂といいますか、記事にしたくなるんじゃないでしょうか。

 番組中で紹介されてたのは、「外国のメーカー主催で(といいつつしっかりPHILIPSのロゴが映し出されてるんですが)開催されたファッションショー」の話。
 客として招待されてるのは先に出てきた女性の“アルファブロガー”たちばかりで、ファッションショーは単なるオマケで、本当は帰りしなにPHILIPSが彼女たちに無料でお土産として配る“脱毛器”をブログで宣伝してもらうのが目的なんですな。

 気になったのは、「配った商品に対して忌憚のない意見をブログに書いてもらって…」という主催者側の言葉。

 そらまあ、何人かは正直に意見を書くでしょうが、基本的にタダで貰ったものに対して(しかも買うとなれば2万円近くする商品)自腹で買って不満があったときのように悪し様に書けますかねえ。しかも招待客だからPHILIPSは彼女たちの個人情報を握っているわけですし。
 無言のプレッシャーというか、義理という見えない糸による呪縛が皆無だとは言えないでしょう。

 追い打ちを掛けるようにコメンテーターがクチコミのパワーについて語るんですが、クチコミ情報はジャーナリズムと違って正直な意見が期待できる…みたいなコトを言ってた様だったけど、商品をタダで貰った時点で、すでに客ではなくスポンサーと雇われライターの関係になってしまってると思うんですよ。
 反面、自腹で買ったものでひどい目に遭えば恨み辛みの乗っかった意見になるんで、これもまたある程度さっ引いて読まないといけませんけどね。

 まあ、アメリカで発覚した“やらせブロガー”の話も取り上げてたので、見る人によってはそのレポートが警告情報として捉えられないこともないんですが。

 そのあとを受けてコメンテーターが言ってましたが、新聞雑誌テレビのような既存のジャーナリズムにはない、生の情報がブログの魅力だ…みたいなコト。
 たしかにブログからの情報はかなり即時性がある上に歯に衣着せない傾向からナマには違いない。
 でも、ジャーナリズムを擁護するわけではないけど、新聞雑誌テレビってのは自分らがプロの情報屋だと自認する分、ものすごい責任を背負ってる(例外もあるけど)わけですよ。
 自分らの一筆がどれほど影響力があるか、ひとつ間違えばとんでもないこと(自分たちの身の破滅も含めて)になるリスクを理解した上で吟味して情報や意見を発信している(はず)。
 でもブログとブロガーはそうじゃない。社会的影響力はあるけど、回避できないほどの責任はない。
 もちろん、社会的有名人が書いている場合はある程度責任を問われるでしょうが、書き手が情報を提供することを生業としている人でない場合は「ああ、間違いでした。───素人ですので」で済む範囲だと思うのです。


 書き手が無名なら尚更で、だからこそ各掲示板で無責任な批判ばかり書いては自己満足に浸るサドな人もいて、そのせいでエライ迷惑を被る人がいても書き手が罰せられることもない…なんて事件もあったりするわけで。
 また、出した言葉を都合次第でひっこめたり削除したりできるのもネットならではですからね。そもそも、無記名ですし。

 そうそう…あなた、三流芸能誌やら三面記事ネタはお好きですか?…あら、そうですか。
 あーゆーところで出てくる情報、まるごと信じてます?いや、真っ向からウソだと決めつけるんじゃなく、ほかの見方もしておられますか?ってことです。

 つまり、忠臣蔵の『刃傷松の廊下』みたいなもんで、浅野内匠頭と吉良上野介、どっちが悪者か?って話を持ってゆくのが芸能ニュースのやり方なら、それぞれの立場で考えて、なんでそうなってしまったのか?って考えるのが情報分析の本筋だと思うのですよ。
 だから話の持って行き方ひとつで、大石内蔵助は天晴れだ、よおやった…という受け取り方にもなれば、単なる逆恨みの計画的報復殺人犯にもなるわけです。で、それだと単純に裏返しの解釈だから、さらに他の要素も加味して別の角度からも考えてみる必要がある。

 そーゆー考え方って、ひねくれてるっちゃあ、ひねくれてるだけなんでしょうが、私らみたいにウソと誇張を基礎として成り立つ『広告』という商売で飯を食ってきた人間は、そもそもアマノジャクでなければ成り立たず、情報なんてモンがイカにアテにならないものが多いかを知ってるに過ぎません。
 間違いなく正しい情報だとしても、受け取る人間には個々の千変万化な好みもあれば背景もある。
 だからこそ新聞にせよテレビにせよ、もともとジャーナリズムに限らず、情報というもの自体を疑って掛かるのを是としてるわけですが。

 従来のマスコミに対してクチコミ情報の利点を褒めるのはけっこうですけど、まさに情報はナマモノです。料理せずに鵜呑みにする場合は、腹をこわす覚悟が要る、ってこともゆーといてもらわんと。

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コメント

どうしたら、ブログでお金が稼げるのかなぁ、、、
うちも、ページビューなら、数万件あります!
いぁ、1万数千件、、、
てか、浅野内匠頭は、敬語とか、話し方を知らなかった、
と言うのが、あたしの持論です。
ぁ、関係ないか、、、

投稿: 猫姫少佐現品限り | 2007.05.12 04:05

姫少佐、毎度っす。
浅野内匠頭の素行は姫少佐のおっしゃる可能性高いようですねえ。
ただ、浅野内匠頭に限らないんですが、歴史上の人物の素行に関しては当時の記録の仕方や書き手の少なさから、これまた鵜呑みにできないな〜って最近思うようになりました。
書き手が多くてもヤ◯ー掲示板とか◯ちゃん◯◯みたいな例もあるし…大衆は情報に流されるってのは原則みたいなモンだし。

百聞は一見にしかずとはよーゆーたモンですねえ。
あ、失礼とは思いましたが、もうひとつの件は姫少佐がここへコメントを付けられる時に記載されたメアドへ直メールさせていただきます。

投稿: よろづ屋TOM | 2007.05.12 09:48

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