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2007.04.11

『地球へ…』のころの昔話、その2。

Ir

 前回も長文になってしまいましたが、それでも足りない。
 それほどこの作品って自分にとってデカい存在だったんですねえ。


 写真は本棚の奥に大切にしまいこんであった、『地球へ…』別冊総集編(出してみて判ったんですが、そーゆー名前で出してたんですねえ)四冊と、これまた宝物の竹宮恵子作SF短編集『ジルベスターの星から』サンコミックス版。

 『地球へ…』別冊総集編、第一部と第二部はいずれも200頁前後で¥380なんですが、第三部は250頁になってお値段も¥480、最後の第四部になると450頁もなってなんと¥680!ほぼ、厚みも倍あります。
 面白いのは、一部と二部、そして三部はそれぞれ約一年の間が開いているんですが、最後の四部は三部発行後わずか数ヶ月で出ていること。
 アニメ化に伴ってたたみ込むようにキャンペーンを打ったという感じです。

 で、今の復刻版はどうか知りませんが、それぞれ雑誌の体をなしているので巻頭に折り込みB4ポスター、巻末にはインタビューやら対談がついているのがお楽しみ。

 ちなみに第一部は用語集と光瀬龍氏(萩尾望都さんと『百億の昼と千億の夜』、また『地球へ…』のあとの『アンドロメダ・ストーリーズ』で竹宮恵子さんに原作を提供)によるあとがき、二部は中島梓氏(グイン・サーガ!)による解説、三部では劇場アニメの制作が決まったことを受けて、竹宮恵子、中島梓、そして藤子不二雄ら4先生による座談会。そして四部は劇場版監督の恩地日出夫氏との対談で締めくくっています。

 私は竹宮さんの描く宇宙系SFが大好きで、中でも『私を月まで連れてって(全6巻)』とそのインラインストーリー的な『エデン2185』が特にお気に入り。

2185

 『エデン』は巨大宇宙船での外宇宙への移民を扱った年代記、『私を〜』はスペースオペラ的SFコメディという(実はコミックではありそうでなかなかないジャンル)雰囲気は全然違うにもかかわらず、同じ時代という描き方のために『私を〜』に『エデン』の主人公が絡むエピソードがあるのです。
 両方を知っている読者はあのエピソードで「ををを!やっぱり二つの物語は繋がっていた!」という密やかな感動がありました。

 竹宮さんのSF世界のベースになっているのはたいてい宇宙開発時代のまっただ中、ということ。この辺が元祖『宇宙戦争』や『地球最後の日』『宇宙水爆戦』さらに『宇宙大作戦(STAR TREKというよりもこっちの方が似合う)』やら『インベーダー(ビデオゲームの元祖ではない)』やらを観ながら、怪しくも美しい星の世界に魅せられた世代にはたまらんのです。
 異論はあるかも知れませんが、同じ女流SF漫画家でも萩尾望都さんはブラッドベリみたいな感性系、竹宮さんはアシモフやクラークみたいなハード系って匂いに思えるんです。
 …ってか、物語中の恋愛シーンでも萩尾さんはフランス映画、竹宮さんはハリウッド系なんですよ。だから竹宮さんのラブシーンは私らみたいな超奥手ムクツケキ型チェリー野郎でも解る範囲なんですよね。

 ある意味、何かで竹宮さんご自身が書かれていたように、「精神構造が男の子だ」ってのはホントかも。

 さてそんな竹宮さんの「SF処女作紹介」…なんてふれこみで、先の『地球へ…第一部総集編』にオマケみたいにあったのが、私にとって最高の宝物になっている『ジルベスターの星から』なんです。

Photo_1

 これ、別の短編とまぜて一冊の単行本にもなってるんですが、そっちはこのカラー扉がないんですね。
 天文に詳しい方ならひとめでお解りでしょう、このバックに輝く星々は牡牛座のプレアデス星団ですね。これも私にとって一発で仕留められたドキュンだったんです。
 10歳の頃、生まれて初めて手にした保育社のカラーブックス『星と星座』に納められた数々の星雲・星団の中で、ひときわ目を引いたのが、白いガスに包まれながら蒼く青く輝く昴(すばる)───プレアデス星団だったんです。
 で、この本も36年経った今も宝物なんですね。

『ジルベスターの星から』もやはり宇宙を夢見る少年の物語。

 火星に住むやんちゃだけど夢見がちな少年・トニオのもとに突如現れた、少年とも少女ともつかない妖精のように美しい子供・ジル。
 実体を持たないジルは、はるかな遠宇宙から送られてきた立体映像通信でした。
 それまでは不良予備軍みたいだったトニオは、ジルとの不思議な交流の中でいつしか宇宙の彼方にあるジルの生まれ育った星、ジルベスターへ旅立つ決心をし、やがてそれが彼の人生の目的そのものになってゆくのですが───

 いったい幾度読んだことでしょう。本誌の『マンガ少年』と同じ紙質でもともと丈夫ではない『地球へ』のオマケみたいなこの短編、これ以上傷めたくなくて単行本を買ったんですが、コミックス版は完全モノクロ。
 やはりこの青い星々をバックに儚げに腰を下ろすジルの姿が見たくて、どうしてもこちらで読んでしまうのです。(実は巻頭10頁も赤墨の二色カラーなんですよね)

 いま、夜空には驚くほど明るく惑星が輝いています。光害だらけの大阪でさえも、その輝きは衰えません。

 もう一度、星への夢を見てみようか…竹宮恵子の作品には、今も少年の夢が詰まっています。

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コメント

覚えてます!
ジルベスターの星から!!!

でも、内容は全然思い浮かばなくて、TOMさんのあらすじを読んで
「あ~~~ そういえばそうじゃった」
てな具合なんですけど。。。(^^;)

でも、この表紙はしっかり覚えてました!
印象的でしたもん♪

実は 地球へ・・・ 以外は、あんまり竹宮作品は知らないのです。
竹宮作品は、私には「濃い~~~~~」イメージがあって
ファラオの墓なんかは結構好きで号泣しながら読んだんですが
やっぱり「濃い~~~~~」です。
絶対的に 萩尾望都派 でしたもん(^^)
萩尾望都とか大島弓子派・・・「薄い」イメージですね~

てら と打ったら「地球」
もと と打ったら「望都」
ってしっかり変換されるPCが欲しいな~~~

投稿: ビタミン店長 | 2007.04.13 00:43

店長さん、毎度です!
うわあ、ジルベスターを覚えていてくださる方がおられるのがメッチャ嬉しいです。
だって、50頁とはいえ、一本だけの短編ですからね。

小夏さんの方の『地球へ…』関連記事へのコメントでも、竹宮さんは濃い…って書かれている方がおられましたけど、濃いんですか…
私の場合は初竹宮体験がすでに高校生だったせいかすんなり入れて、むしろ萩尾さんの方がイカニモ少女漫画らしい感性についてゆくのに大変でしたが。

大島弓子さんの『綿の国星(LaLaでしか彼女を知らない)』なんか、もうセリフが外国語みたいでしたもの。
ちなみに私はATOKユーザーなので“てら”で“地球”、“はぎおもと”で“萩尾望都”って教え込んでますよ。

投稿: よろづ屋TOM | 2007.04.15 00:17

濃い~~~ですよ 竹宮さん!
萩尾望都や大島弓子がダージリンだとしたら
竹宮恵子はモンゴルの遊牧民が飲むようなバター茶のような・・・
バター茶飲んだこと無いのでわかりませんけど(^^;)
大島弓子や萩尾望都みたいなあのふわふわした儚げな少女に生まれて
あんなセリフ喋ってみたかったなぁ~~~♪

自分ちのPCに言葉を覚えさせる技は、まだ取得しておりませんのですよ~~
そういう技があるのは知ってたんですけど(^^)

投稿: ビタミン店長 | 2007.04.16 23:09

ば、バター茶ですか…( ̄ロ ̄lll)
塩効いてますね〜〜〜〜。

大島さんはあまり知りませんが、私にとっての萩尾さんは『11人いる!』と『百億の昼と千億の夜』『スターレッド』なんで、ふわふわのイメージはないですねえ…
どれもヒロイン、きっついでしょ。
でもフロルはまさにツンデレで、今なら流行最先端のヒロインですよね。

投稿: よろづ屋TOM | 2007.04.19 00:56

初めまして。「地球へ・・・」で検索していてたどり着きました。
はなとゆめ、LaLaでさえ、知らない人に囲まれている中、
マンガ少年読んでいたなんてものすごく嬉しい!
高橋洋介、ますむらひろし、なんて30年ぶり、というところでしょうか。
竹宮惠子さんは、ファンクラブに入っていました。
当時の作品はコンプリートだったんです。
「ジルベスターの星から」は本当に好きでした。ラベンダーのイメージでしたよね?違っていたらごめんなさい。
「私を月まで連れてって」で、「アストロノウツ」って言葉を覚えました。たしか、レディースコミックの走りの月刊誌で読んだ記憶が。
埋もれていた記憶が呼び覚まされて、不思議な気持ちです。
原作との違いはともかく、「地球へ・・・」の放送が最後まで打ち切られない事を心から願っています。

投稿: ねりらく | 2007.04.29 13:08

ねりらくさん、いらっしゃいませ!はるばるとようこそ。
そーですよねえ、ぶっちゃけた話30年ってスゲー時間の流れですよ。
オギャアと生まれた子が中年の仲間入りですからねえ!!
自分のことはおいといて。ヽ(´∀`*)ノ

そう!『ジルベスターの星』のジルベスターの空はラベンダー色…よく覚えておられましたね〜!そのことだけで私も大感激です。
ほんと、この作品は叙情詩です。音が聴こえ、風を感じます。
この作品こそ、竹宮さんを知らない人に読んで欲しいんですが…。

願わくばこの作品こそ映像叙情詩の天才・新海誠監督の手で劇場用の美しいアニメにして欲しいものです。
彼は映像のワンシーンだけで泣かせてくれますから。

これからもよろしくお願いします!

投稿: よろづ屋TOM | 2007.04.29 14:57

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地球へと書いて、テラ(TERA)へと読む。 地球へ のトラックバック募集中です。何かFC2ブログランキングのアニメを見る限り、不人気大爆発といった感じですが(誰も感想書いてない?)、記事を書かれている方がい... [続きを読む]

受信: 2007.04.15 01:30

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