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2006年5月

2006.05.21

アジアンテイストレストラン『アシャ』

Asya_front


 第二回は、大阪天王寺駅から歩いて10分弱、25号線沿いにある、『アジアンテイストレストラン・アシャ』さん。

 はじめてこちらへお邪魔したのはもう二年前になります。
 友人で仕事仲間の牛(ぎゅう)ちゃんに連れられて訪れたのですが、繁華街という筆者の固定概念があって天王寺エリアにうとい筆者は正直「いったいドコへいくねん!?」と思うくらい、歩くほどに周りの景色は天王寺のイメージとは異なったフツーに閑静な住宅地に。


 クルマも人通りもまばらな黄昏どきの夕闇の中にやわらかく浮かび上がる灯りが『アシャ』さんの入り口。
 傍らに立てられた“今日のオススメ”はいつも魅力的なのですが、それよりも少しでも早くお店に入って注文したい!と気ばかりはやってちゃんと見たことがないのです。


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 タテに長い店内は倉庫かガレージがベースだったようですが、天然木を多く使っていることもあって良い雰囲気です。
 また異国系のレストランにありがちなわざとらしい民族音楽などもなく、店長さんの人柄を反映して静かで落ち着いています。
 キッチンはタテ配置の客席に平行してしつらえられていることもあって、店長さんやスタッフさんに料理のことを訊ねたりしやすく実にアットホームな雰囲気。

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 さて、写真左上。まず出されるのはいわゆる“つきだし”なのですが、毎回異なるので「これ、なんですぅ?」と訊ねるのがまた楽しい。写真ではわからないのが味ですが、まずひとくち食べると判るのがその素材の良さ。
 特に野菜は毎日鳥取県は大山高原から取り寄せているというコダワリもの。

 さあ、語らせてください。筆者はアボカドなるものがまだ「なにそれ?」と言われていた頃から味も食感も知っていたのですが、正直美味しいと思ったことは一度もありませんでした。
 しかし!『アシャ』さんに初めて来たときに食べた『アボカドと豆腐のサラダ(写真右上)』を食べた私は唸った、うなった。
 大げさではなく、心底ウマイと思ったのです。以来、このメニューは筆者の定番。
 だけど、唸るのはそれだけではなかったのです。

 『アシャ』さんのすごいところはとにかく勉強熱心というか、研究と探求をおこたらないところ。そうたびたび訪れているわけではないですが、よほどのレストランでも何度か来れば流れや味の雰囲気など、だいたいひととおり判るものです。
 ところが何が驚くといって、こちらのメニューは成長するのです。
 来るたびに必ず新しいなんらかのオドロキをくれるのです。

 よそで聞き覚えのあるメニューでも、こちらで頼むとひと工夫もふた工夫も加えてあるので油断できません。
 もひとつのオドロキはその発想の自由なこと。写真左下、黒いのはいわゆる『イカスミ』なのですが、フェットチーネではなくて“きしめん”なのです。驚きましたねえ。きしめんにしたことの面白さはパスタのシコシコに対してモチモチの食感なのです。またこれがイカスミによく合う。
 以前、ちゃんとしたイタメシ屋でイカスミパスタを試したときは半分も食べないうちに後悔しはじめたのですが…というのは実は筆者は20代まで魚介類が皆目だめだったので、今も鮮度にはかなり敏感で、多少味が良くてもナマグサいとつらいのです。
 ところがこのイカスミきしめんは胃袋に余裕さえ許せばお代わりしたかった。
 アボカドに続いて目から鱗メニュー第二弾となりました。お、そうそう。その名は『イカ墨焼ききしめん』。

 いかんいかん。ほかのメニューも紹介せねば。

 これも意外メニューのひとつ?豆腐と腐乳の野菜炒め(写真右下)。
 腐乳ってご存じですか?中国の加工食品で、文字通り豆腐を発酵させたものなのですが、基本的に“世界クサイものフードランキング”に必ずラインナップされるツワモノのはずで、筆者も存在は知っていましたが試そうとは思ってませんでした。
 が、店長さんに尋ねれば意外にも「チーズがお好きならこれは大丈夫ですよ」とタイコ判。
 なるほど、いざ食べてみると味も食感も沖縄の豆腐ようにかなり近い。
 とうぜん、一緒にいただくべきは……ということで泡盛をオーダー。

 ただし、腐乳にもいろいろあって、これは紅麹によるライトテイストなものだそう。やはり本家の腐乳は恐ろしいものなのかも。
 
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 左上、これまた、ぎゅーちゃんオススメのネタの『エビパン』ことシュリンプ・トースト。プリプリのエビの食感は勿論ですが、これにつけてくださる特製のつけダレがなんともエスニックですばらしい。お訊きするといともカンタンにしかも「いや、カンタンですよ」とレシピを教えてくださるのは料理教室も開いておられるからなのでしょうが、同じ材料を使ってもプロのバーテンダーとシロウトではカクテルの味がまったく異なるように、ぶっちゃけ“マネ”できません。
 え、そのタレがどんな味かって?
 複雑すぎて説明できません。それはご自分でお確かめを。
 次に右上の『タコのやきめしカピ風味』。エスニック料理の魅力とは、まず香草の個性的なふくいくたる香りと、加えてナンプラーなどその国ならではの調味料の風味、それらが組み合わさると不思議な魔法を掛けたように食べ慣れた食材がまったく異なった料理になることだと思うのです。
 そういう意味でもこの料理。違うんですよ、いままで食べてきたどんな焼きめしとも。ちなみにカピとは、エクトル・マローの“家なき子”に出てくるお利口な犬…ではなくて、オキアミのような小エビを塩漬けにして発酵させた調味料。
 韓国料理でもキムチなどにアミの塩辛はよく登場しますが、あちらはキムチになってから発酵するのに対して、こちらは最初から発酵してあるところが特徴。
 とにかく味付けはあっさりしているのにすごくコクがあるのです。あ、上に乗っているのはスペアミントの葉。

 左下は筆者がタイ料理で大好きな『パッタイ』つまりタイ式甘辛風やきそばなんですが、お皿の左をごろうじろ。なんと、ライムです。よくタイ料理専門店とか、イベントなどでほんとのタイ人の方が屋台を出しておられたりしてる場合、たしかに味はそれなりに本格的でも、ライムが乗っかっているのに出逢ったのはこのアシャさんだけ。
 これって、画竜点睛を欠くというか、実は寿司に生姜(ガリ)、たこ焼に青のりを忘れているのに匹敵することかも知れないのです。
 さきのミントの葉といい、こういうちょっとした心遣いのひと手間が筆者を感動させるのです。
 (ちなみにその筋のファンにはライムなしでは無価値だとまで言われるコロナビールも置いておられます。)

 中央はお好みでパッタイに、と出してくださった辛口のソース。これもひとくちに言えないほど複雑で実にさまざまな味がします。ホントは小瓶にでも入れて持って帰りたかったのですが。
 右下、実は最初に訪れる前に検索して見つけたページにはランチメニューしか紹介されてなかったのですが、そこに書かれていたのが『タイ風レッドチキンカレー』。
 以来気になって気になって、今回ついに発注。といっても他にも色々食べたいので三人で一人前を頼んだのですが、感想は「くそー。職場が近かったらこんなウマイのがランチで食べられるのか。」い〜い辛さ、なによりもココナツミルクの甘みがたまりません。そのトータルバランスがまた絶妙。
 ランチに来ることができないのがほんとに残念なほどクセになる旨さなのです。

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 さらには左から『鶏手羽肉の唐揚げチリソース』『ズッキーニと豚バラ肉の花椒(ホァジオ)炒め(この花椒がスパイスマニアの筆者にはもお最高!)』とか『イカのタイ風香草入り卵焼き』を賞味。でもまだまだ『ラオス風ロールパンサンド』だの『穴子のおこわ(筆者は穴子フェチ)』エトセトラエトセトラ…気になるメニューがたくさん残っているのです。
 だってアナタ、『桜エビのおこわ』とか『泡盛風味のイカ塩辛』ですよ。気になってしゃあない。どないしましょ。
 ………つまりは、もっと通え、ということでありますな。

 ちなみに写真こそありませんが、店長さんもスタッフの女性も上品な美人。魔法のように不思議な料理の数々の謎も気軽に応えてくださるので、お仕事の邪魔をしない程度なら質問も許してくださるかと。
 だってねえ、筆者のような野次馬好奇心人間には宝の山なんですよ。

 さあ、またがんばってステキなお店にでかけましょうか。

Asyamap『アシャ』さんの地図(クリックで拡大表示)

 ■Special Thanks:牛ちゃん
 ■Thanks to Photo by:Mr.Nobuo Seto

 ■『アシャ』さんのホームページ

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