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2005.01.05

心が洗われる感動『ネバーランド』

 『ネバーランド』 米・04年
東芝エンターテインメント配給 05年1月15日より公開
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 世界中の多くの人が知っている童話『ピーター・パン』。でもそのお話はどんな作家がどのようにして創ったのか?
 ──とにかく、素敵で綺麗な、綺麗なお話です。この殺伐としたテーマの映画が多い時代に、筆者はこんなに優しくて美しいお話の映画が作られたことが嬉しくてなりません。

 昔から童話作家を主人公にした映画はあったのですが、いずれもミュージカル仕立てだったり、どこか空想家的な描き方をしているのが定石でした。しかしこの映画はたいへん静かに、そしてとても温かなやさしさで全編を包み込んだ作品なのです。
 そう、例えて言うなら“森の静けさ”。作品全体を通してテーマカラーのようにうまく使われているのが緑。森の緑、芝生の緑、木洩れ日の緑。そしてガーデニアンにはため息のでそうなイングリッシュ・ガーデンのハーブの緑。
 それはそのまま、今では当たり前のようになったピーターパンの衣装の緑を連想させ、ピーターたちの国ネバーランドのイメージカラーにつながります。
 だけど、あくまで主人公達は現実世界にどっぷり浸かって生きているという描き方をしています。たとえばジョニーデップ演じる主人公ジェームズ・バリは過去の名声とは裏腹にスランプに苦しむ劇作家。愛しているにもかかわらず妻とはもはや表面だけの夫婦。
 その名を名作に与えることになる少年ピーターは幼いにも関わらずシニカルなものの考え方しかできない、夢を失った子供。そして少年の家は父の突然の死に破産寸前…
 
 それだけに、バリの突拍子もない行動はアタマの硬い常識人にしてみれば単なる現実逃避にしか見えません。
 しかし物語の中核となる空想力は現実逃避の手段などではなく、ともすれば四角四面な見方しかできない“冷たい現実”を柔軟に受け止め、別の角度から見つめ光を当てることで解決の糸口を見つける準備体操なのだとバリはその行動でやんわりと説いて行きます。
 
 終わったあと、泣きました。哀しくてではなく、お話の美しさに感動して。しかも涙が止まりません。ヤバイ。しかし見回すと、私と変わらない世代のオッサンたちもグズグズ鼻をすすっているのです。それも、プレス試写会だったわけですから、映画を見ること評すること百戦錬磨の連中が、です。

 主演は変人俳優の誉れ高いジョニー・デップなんですが、この作品で彼はほんとは素晴らしい役者だということをあらためて思い知らせてくれます。いや、これまでも大した役者なんですが、なんせ彼がチョイスする作品はどれも一風変わったB級っぽい内容のものばかりでしたでしょ?
 共演に『タイタニック』のケイト・ウィンスレット、ダスティン・ホフマン。そして何よりも主人公が出逢う少年、ピーターを演じた12歳の子役、フレディ・ハイモア。

 新春、心の洗われる映画がご覧になりたいなら、オススメです。(T▽T)

 余談ですが、最近韓流はもちろん、おっ、これはええなあと思う映画は“東芝エンターテインメント”が多いような気がします。ただし単館系短期間ロードショウが多いので注目ですよ!

******************この記事は拙作メルマガ最新号より転載しました

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コメント

こんにちは!echo&コメ、ありがとうございました、猫姫です。
あたしは、数少ない、泣けない派、、、でした、、、
いろいろ、考えさせられました。
またよろしくお願いしますね。

投稿: 猫姫 | 2005.08.19 16:42

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