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2004.06.10

シルミド(実尾島)

 はい、みなさんこんにちわ。(*^_^*)/
 60年代後半。ヤクザの抗争から殺人を犯して死刑を宣告された主人公は謎の男から「国のために、もう一度生きてみないか」ともちかけられる。
 死刑を免れたものの、同じような犯罪者たちとともにはるばる海を渡って連れてこられたのはシルミド(実尾島)という孤島だった…

 国の身勝手な政策という押しつけられた“運命”のなかで必死に生き抜こうとする連中のあがきを冷静に描いた映画の内容もさることながら、この事件が1971年を発端にしてるという事実にショックを受けます。

 71年と言えば、日本で言えば大阪万博の感動もまださめやらぬ、ハイテク時代への幕開けとなった頃でした。
 今年三月に公開された『殺人の追憶』でも、その舞台となった80年代は日本でいえばマイケルジャクソンやマドンナの来日など、バブルの絶頂期だったのに、韓国では当たり前のように戒厳令があったり、灯火管制があったことを知って驚きました。
 『シルミド』の舞台である71年となれば、もっと北朝鮮の驚異は差し迫ったことだったはずです。
 私たちは本当に平和になった国で育ったんだなあと実感させられました。
 
 この作品は邦画では絶対に考えられないリアルなアクションシーンもほとんどがスタントマンなしで韓国の俳優たちが決死の思いで演じました。
 残念ながら日本人にとっては、この事件の本当の重さは対岸の火事程度にしか理解できないかもしれません。
 しかし、単に史実を描いたアクション映画、感動で泣ける映画だというよりも、この事件が真実を描いたドキュメンタリーであることを感じ、いろんなことを考えながらぜひとも多くの人に観ていただきたい作品です。

 主演のソル・ギョング(ハングルで見て気づいたんですが、ソル“ギョング”ではなく、正しくは“キョング”ですね。)は韓国きっての性格俳優で、秘めた刃(やいば)のような切れ味の眼差しと演技は、筆者的には緒方拳のような役者(うんと若いですけどね)という位置づけ。かつてBS特別ドラマ『聖徳太子』で、朝鮮から渡来したもと刺客の役を演じたこともあります。
 ちなみに彼の次回作はあの伝説のプロレスラーを描いた『力道山』。しかも共演は『ホテルビーナス』において韓国語で熱演した中谷美紀。
 いやはや、いいカタチでの日韓共作が実現しそうで嬉しい限りです。

 また共演のアン・ソンギは“国民俳優”と呼ばれる名優であり、理想の上司ナンバーワンにも挙げられるカリスマ性の持ち主。
 ラッキーなことに試写会で舞台挨拶を観られたのですが、役柄で彼が見せる姿とは正反対の、やわらかで優しげな物腰は久しぶりに本物の紳士を見た思いでした。その時アン・ソンギさんが「共作とか合作というのを意識せずにフランスやイタリアの俳優がフツーにアメリカ映画に出るように、韓国や日本の俳優がお互いの映画に自然に出られるようになればいいと思っています」とおっしゃってたのが印象的でした。

 それと、もうひとりの主演とも言えるチョン・ジェヨンは『ガン・アンド・トークス』というアクションコメディで、ウォンビンの兄貴分役を演じたのですが、その時はロンゲでクールな役柄だったからかトヨエツに似てる印象を持ったものの、今回の方が個性的で役者としてずっといい味だしてるなと思いました。今後が楽しみな俳優さんです。
 他にも現在『オールイン〜運命の愛〜』に出演中で、主演のイ・ビョンホン生涯の相棒となる役柄のホ・ジュノなど、なかなか豪華なキャストも魅力。

 余談ですが、第三班の班長が話すのはプサン弁で、いわば韓国の大阪弁。また劇中で歌われる“黄色いシャツ”は今も知られる韓国の懐メロ代表曲。
 でも死線を越えてようやく一人前の暗殺隊となったとき、彼らが送別会で酔って唄った歌は、なぜか北朝鮮の軍歌だったという哀しい皮肉も。

 この映画は、2003年度韓国の作品です。またこのコーナーでお逢いしましょうね。

 公式サイト→ http://www.silmido-movie.jp/

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